科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

専門家会議「廃止」の波紋

2020年6月23日~2020年6月30日
カセイケン代表 榎木英介

 6月24日、日本記者クラブで以下のような記者会見が開かれました。

2020年06月24日 16:00 〜 17:15 10階ホール
新型コロナウイルス」(29) 専門家会議構成員 脇田隆字座長、尾身茂副座長、岡部信彦構成員
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/35670/report

次なる波に備えた専門家助言組織のあり方について(記者会見発表内容)
https://note.stopcovid19.jp/n/nc45d46870c25

 この会見では、専門家会議が自らの反省点などを率直に述べています。

状況が日々刻々と変わり、迅速な対応が求められるなか、本来であれば、専門家 会議は医学的見地から助言等を行い、政府は専門家会議の「提言」を参考としつつ、政策 の決定を行うものであるが、外から見ると、あたかも専門家会議が政策を決定しているよ うな印象を与えていたのではないかと考える。

 こうした点は私も含め多くの人がかねがね指摘していた点です。

 リスク評価とリスク管理の混同が問題を引き起こしたと言えます。

専門家会議が政策決定の印象も 政府の決定・実行を明確に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200624/k10012481511000.html

新型コロナ対策専門家会議 政府側の求めで文言の削除や修正も
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200624/k10012481901000.html

危機感で「前のめり」 専門家会議、助言のあり方課題
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60747630U0A620C2CR8000/

コロナ対策の責任、専門家に矛先も-問われる政府との役割分担
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-23/QC3PSDT0AFBT01

専門家会議「純粋科学と違う」 自らの役割に苦悩の日々
https://www.asahi.com/articles/ASN6S7JGBN6SULZU004.html

感染症と闘う:新型コロナ/12 専門家会議、問われる役割
https://mainichi.jp/articles/20200624/ddm/013/040/015000c

 こうした問題点を解消するために、専門家会議を「廃止」し、メンバーの一部をスライドさせた上で新しい組織を作り、法的にも位置付けを明確にすることが決まりました。

政府がコロナ新会議設立 方針「逸脱」封じ、権限明確に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60795750V20C20A6PP8000/

新型コロナ専門家会議を廃止 経財相、新組織を設置
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60734640U0A620C2PP8000/

政府、専門家会議を廃止 新たな会議体で第2波へ備え
https://www.asahi.com/articles/ASN6S7FYDN6SULBJ00G.html

スパコン「富岳」と山中教授ら協力、新型コロナ検証で有識者委…第2波に備え
https://www.yomiuri.co.jp/science/20200623-OYT1T50206/

 しかし、上記の記者会見中に西村大臣が専門家会議廃止を記者会見で公表し、そのことを専門家会議メンバーは知らされていなかったという、ちぐはぐさが露呈しました。

専門家会議、唐突に幕 政権批判封じ? 政府発表前倒し 新型コロナ
https://news.yahoo.co.jp/articles/eac76bb3ac811ea59dc555b33c31d0f4550d9547

専門家会議「廃止」に日本政府への心配が募る訳
中立性・客観性・誠実性の言葉はもう聞けない?
https://toyokeizai.net/articles/-/359383

先走る西村担当相 根回しなく専門家会議「廃止」 与野党から「唐突」大合唱
https://mainichi.jp/articles/20200626/k00/00m/010/229000c

専門家会議の廃止「証拠隠滅」 立憲・枝野代表、追及の方針
https://mainichi.jp/articles/20200625/k00/00m/010/220000c

 専門家会議の記者会見の後では政府主導が揺らぐと思ったのでしょうか。根回しなく先手を打つために発表したということでしょうか。

西村氏「排除ととられ反省」 専門家会議廃止めぐり釈明
https://www.asahi.com/articles/ASN6X6213N6XUTFK005.html

 まだ新たな会議の全容が見えないので、憶測で何かをいうことは避けますが、リスク評価とリスク管理が別の組織で行われるのかなど、課題が解決しているのか、注目です。

 現在東京を中心に再び感染者が増えていますが、この数ヶ月の対応を振り返る記事が出るようになりました。

“西浦試算”公表前夜の暗闘 コロナ専門家会議の当事者が明かす「西浦氏vs.厚労省幹部」
https://bunshun.jp/articles/-/38613?page=1

ドキュメント 感染症「専門家会議」 国家の命運を託された3人の研究者
https://bungeishunju.com/n/ncc41c5619395

つぎはぎ医療システム、コロナで機能せず 厚労省迷走
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60627080S0A620C2SHA000/

 明らかになった問題点を修正できるかが問われます。

★博士課程在籍者・修了者(博士人材データベース登録者)に対する「新型コロナウイルス流行の研究活動への影響等に関する調査」の結果(速報)の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/44741

大学院博士課程の7割が「博士号取得に遅れが生じる」可能性。新型コロナウイルスで研究活動に大きな支障
https://news.yahoo.co.jp/byline/murohashiyuki/20200627-00185266/

博士号取得の遅れ、7割が懸念 実験施設や図書館の利用制限で
https://www.chunichi.co.jp/article/79148

 非常に厳しい状況です。支援が必要です。

★政府はコロナウイルスの影響で研究が中断している博士課程学生への支援を発表
https://crds.jst.go.jp/dw/20200625/2020062523708/

 これはイギリス。

★宇宙の謎解明、新型コロナが影 「知の連携」滞る
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60868750W0A620C2TJM000/

★Gender Gap in Research Output Widens During Pandemic
https://www.the-scientist.com/news-opinion/gender-gap-in-research-output-widens-during-pandemic-67665

★Charities that fund research face deep revenue declines
https://science.sciencemag.org/content/368/6498/1412

 パンデミックが研究に与える影響。深刻です。

厚生労働省消費者庁と合同で、新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013.html

新型コロナウイルスに有効な界面活性剤及び次亜塩素酸水を公表します(最終回)
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626012/20200626012.html

★Five ways to ensure that models serve society: a manifesto
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01812-9

★‘It’s a nightmare.’ How Brazilian scientists became ensnared in chloroquine politics
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/it-s-nightmare-how-brazilian-scientists-became-ensnared-chloroquine-politics

「家に帰りたい。制服を脱ぎ捨てて、この場を去りたい」
https://www.editage.jp/insights/i-wanna-go-home-take-off-this-uniform-and-leave-the-show

 ブラジルの厳しい状況。

★京都大、知財を無償開放 コロナ終息に貢献の研究に 
https://www.sankei.com/life/news/200629/lif2006290044-n1.html

★インフルエンザの新型、中国で発見 「世界的流行も」と科学者
https://www.bbc.com/japanese/53230478

 豚で見つかっています。まだ人への感染があるわけではありませんが、注視する必要があります。

コンゴ東部のエボラ出血熱が終息 2200人死亡、ワクチン効果
https://www.chunichi.co.jp/article/78506

World’s second-deadliest Ebola outbreak ends in Democratic Republic of the Congo
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01950-0

 ようやく収束。

★「津波フラッグ」の運用が始まります
https://www.jma.go.jp/jma/press/2006/24b/tsunamiflag_unyou.html

★ことしの科学技術戦略案 大学の研究開発など支援強化
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200624/k10012481461000.html

大学の海外からの資金、虚偽報告なら補助停止
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60879710W0A620C2EA3000/

行政デジタル化へ集中投資 政府、イノベーション戦略決定
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60822450W0A620C2EAF000/

 今年の統合イノベーション戦略が見えてきました。

統合イノベーション戦略推進会議(第7回)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tougou-innovation/dai7/gijisidai.html

議事

(1)新型コロナウイルス感染症を踏まえた科学技術・イノベーション政策及び統合イノベーション戦略2020について
(2)バイオ戦略2020(基盤的施策)について
(3)AI戦略2019フォローアップについて
(4)量子技術イノベーション会議について
(5)スタートアップ支援の強化について
(6)グリーンイノベーション戦略推進会議について

資料1-2 統合イノベーション戦略2020(素案)(概要)(PDF/1485KB)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tougou-innovation/dai7/siryo1-2.pdf

資料1-3 統合イノベーション戦略2020(素案)(PDF/1706KB)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tougou-innovation/dai7/siryo1-3.pdf

安倍総理は第9回全世代型社会保障検討会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202006/25zensedai.html

全世代型社会保障検討会議(第9回)配布資料
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/siryou.html

資料1 全世代型社会保障検討会議第2次中間報告(案)(PDF/456KB)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/siryou1.pdf

フリーランス実態調査結果(PDF/666KB)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/sankou.pdf

医療提供体制の整備に「感染症対応」の視点-全世代型社保会議・第2次中間報告
https://www.cbnews.jp/news/entry/20200625213553

ギグワーカーを労災対象に 全世代型会議の中間報告
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60793110V20C20A6EE8000/

 私も4月からフリーランスとして働いていますので、気になります。

★競争的研究費の直接経費から研究代表者(PI)の人件費の支出について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/torikumi/1385716_00002.htm

 5月22日に出ていた文章。

研究に集中できる環境整備等によ る PI の研究パフォーマンス向上、多様かつ優秀な人材の確保等を通じた機 関の研究力強化に資する取組に活用することができ、研究者及び研究機関双 方の研究力の向上が期待される。

★「大学教育のデジタライゼーション・イニシアティブ(Scheem-D)~ With コロナ/ After コロナ時代の大学教育の創造~」の実施について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00242.html

★「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(案)概要」に関するパブリックコメント意見公募手続)の実施について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00251.html

★クロスアポイントメント制度の基本的枠組と留意点【追補版】
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/mext_00750.html

★「STI Horizon(エスティーアイ ホライズン)」誌2020秋号web先行公開(6月25日)について
https://www.nistep.go.jp/archives/44612

STI Horizon(エスティーアイ ホライズン)」誌2020夏号公開について
https://www.nistep.go.jp/archives/44608

★レポート
システム思考の科学技術イノベーションSTI)政策(前編)
第5期科学技術基本計画の俯瞰・構造分析から見えるSTI政策の課題
https://www.nistep.go.jp/activities/sti-horizon%E8%AA%8C/vol-06no-02/stih00218

★システム思考の科学技術イノベーションSTI)政策(後編)
システム思考の政策分析による論点整理の方法
-第5期科学技術基本計画を素材として-
https://www.nistep.go.jp/activities/sti-horizon%E8%AA%8C/vol-06no-03/stih00219

 システム思考が政策を考える上で大きな力になりそうです。

★長期のインプット・アウトプットマクロデータを用いた日本の大学の論文生産の分析[DISCUSSION PAPER No. 180]の補遺の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/44414

NISTEP、「長期のインプット・アウトプットマクロデータを用いた日本の大学の論文生産の分析」の補遺を公表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12140

★国際化学サミット白書「Science to Enable Sustainable Plastics」が公開されました
https://www.jst.go.jp/report/2020/200625.html

★第1回死因究明等推進本部
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/newpage_11901.html

死因究明等推進計画案、検討会設置し作成へ-厚労省、推進本部初会合の議事内容など公表
https://www.cbnews.jp/news/entry/20200626192308

 死因究明の体制は日本が弱いところなので、今後の議論を見ていきたいと思います。

安倍総理は第22回宇宙開発戦略本部を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202006/29space.html

月の資源探査、ミサイル探知衛星…「宇宙基本計画」閣議決定
https://www.yomiuri.co.jp/science/20200630-OYT1T50152/

検証:政府基本計画改定 宇宙開発、民需に活路 「先進国」脱落恐れ、米に追随
https://mainichi.jp/articles/20200630/ddm/012/010/050000c

政府、宇宙基本計画を改定へ 首相「月面活動に果敢に挑戦」
https://www.chunichi.co.jp/article/80378

宇宙基本計画改定 日本人の活躍確保へ 政府
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200629/k10012487741000.html

★Science by press release: When the story gets ahead of the science
https://edition.cnn.com/2020/06/27/health/science-by-press-release-gupta/index.html

 プレスリリース先行型の科学の問題点。プレプリントすらないものもあり、一人歩きが問題です。

★Peer-Reviewed Scientific Journals Don't Really Do Their Job
https://www.wired.com/story/peer-reviewed-scientific-journals-dont-really-do-their-job/

 ピアレビュー制度の問題が、様々なところに影を落としています。

★CZI、medRxivへの200万ドルの資金提供を発表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12139

 チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ。

★11の学術出版社、研究成果の出版における包摂性および多様性に関する共同声明を発表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12127

★新大学名称が決定し、会見を行いました
https://www.upc-osaka.ac.jp/topics/20200626/

新大学、名称は「大阪公立大学」 22年度、府立大と市立大を統合
https://www.chunichi.co.jp/article/79064

公立大学法人大阪が設置する新大学の英語名称について
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2020/06/2601

「University of Osaka」が大阪大学の英語名称として使用されている実態
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2020/06/0629

 阪大がかなり怒っている印象です。

★霊長類研究所における不正経理に関する調査結果について
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/kousei-chousa/news/2020/documents/200626_1/01.pdf

競争的資金等の不正経理に関する調査結果について(2020年6月26日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/kousei-chousa/news/2020/200626_1.html

「研究優先し順法意識欠如」 特定業者と密接な関係 京大霊長類研不正支出
https://mainichi.jp/articles/20200626/k00/00m/040/302000c

霊長類研、不正5億669万円 京大、調査結果
https://www.chunichi.co.jp/article/79260

チンパンジー研究の世界的権威が不正支出5億円 京大が研究資金を調査、結果公表へ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200625-00390808-kyt-l26

 問題が明らかになってから随分時間が経ってしまいました。

 私的流用していなけれな問題ない、使いにくい研究費が原因だ、という擁護論も聞かれますが、どのような理由があるにせよ、税金を正しく使っていないことの正当化理由にはなりません。

パワハラ疑いで北大学長解任へ
30日付、文科省通知
https://this.kiji.is/650321268400407649

北大・名和総長を解任へ 文科省パワハラの訴え認める
https://www.asahi.com/articles/ASN6Y7KNPN6YULZU010.html

 メルマガ編集中に飛び込んできました。こちらも長引きました。

★「ダーウィンの進化論」に関して流布する言説についての声明
https://www.hbesj.org/wp/wp-content/uploads/2020/06/HBES-J_announcement_20200627.pdf

進化論をマンガが誤用 学会が反対声明「論理的に誤り」
https://www.asahi.com/articles/ASN6X3168N6WULBJ007.html

二階氏「ダーウィンも喜んでいる」 進化論の誤用問われ
https://www.asahi.com/articles/ASN6R4F5JN6RUTFK006.html

 自民党の進化論「誤用」について。進化論が一般の人たちの関心が高い上に、常に為政者の恣意的解釈の危険性を伴っているという研究領域でもあります。

★運営法人を批判 教授を懲戒解雇 札幌国際大 /北海道
https://mainichi.jp/articles/20200630/ddl/k01/100/035000c

 評論家の大月隆寛氏が解雇。

★旧優生保護法の検証のための検討会報告書
優生保護法の歴史を振り返り
今後のあるべき姿勢を提言する
令和 2 年(2020 年) 6 月 25 日
一般社団法人日本医学会連合 旧優生保護法の検証のための検討会
https://www.jmsf.or.jp/files/20200626kyuyuseihogoho.pdf

優生保護法の検証のための検討会報告書について
https://www.jmsf.or.jp/info004.html

強制不妊に医学者ら関与と初の認定 医学会連合が報告書
https://www.asahi.com/articles/ASN6T3S04N6SULBJ00K.html

強制不妊「謝罪表明を」 医学会連合、報告書で提言
https://www.chunichi.co.jp/article/78306

★How diplomacy helped to end the race to sequence the human genome
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01849-w

 ヒトゲノム計画完了から20年。当時のクリントン大統領はよくやったなあ、という記事。

★CRISPR gene editing in human embryos wreaks chromosomal mayhem
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01906-4

CRISPR Gene Editing Prompts Chaos in DNA of Human Embryos
https://www.the-scientist.com/news-opinion/crispr-gene-editing-prompts-chaos-in-dna-of-human-embryos-67668

★ Trump Suspends Visas Allowing Hundreds of Thousands of Foreigners to Work in the U.S.
https://www.nytimes.com/2020/06/22/us/politics/trump-h1b-work-visas.html

Breaking: Trump to suspend new visas for foreign scholars
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01885-6

Trump Suspends H-1B Immigration Visas for Foreign Workers
https://www.the-scientist.com/news-opinion/trump-suspends-h-1b-immigration-visas-for-foreign-workers-67659

 これは大きな影響が出そうです。アメリカ自身の活力に影響が出ると思うのですが…。

★米国の対中制裁、大学に拡大
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60831750W0A620C2TM5000/

★Senate bill to curb foreign threats raises alarms
https://science.sciencemag.org/content/368/6498/1415

EPA gives up on barring grantees from science advisory panels
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/epa-gives-barring-grantees-science-advisory-panels

★Europe - 75 scientists endorse call for philanthropic foundation
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01869-6

就職氷河期世代支援のための地方公務員の中途採用予定
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/154165484654.html

論点:就職氷河期世代の支援
https://mainichi.jp/articles/20200624/ddm/004/070/002000c

終わらない氷河期~支援を考える:「正社員になればすべて解決、ではない」 氷河期世代が背負い続けるダメージ
https://mainichi.jp/articles/20200626/k00/00m/070/161000c

 就職氷河期世代に光は見えるでしょうか。

★Three extraordinary women run the gauntlet of science — a documentary
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01912-6

柳井正 株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長による本学および京都大学iPS細胞研究財団への寄附に係る記者会見を行いました。(2020年6月24日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/soumu/shogai/news/2020/200624_1.html

柳井氏、京大に100億円寄付 山中氏と本庶氏に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60724580U0A620C2I00000/

柳井氏「100億円寄付」が問いかける企業の基礎研究支援
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00110/062600030/

 すでに成果を出した研究者にお金を出すより若手を、という声もありましたが、配られたお二方のお金の使い方次第ではあります。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.876 2020年6月30日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
【編集者】Science Communication News編集部
【E-Mail】 office@kaseiken.org
【Web Site】 https://www.kaseiken.org/
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改正科学技術基本法、批判の流儀、チェックの難しさ

2020年6月16日~2020年6月23日
カセイケン代表 榎木英介

 久々に新型コロナウイルスではない話題を最初に持ってきました。

★改正科学技術・イノベーション基本法 参院本会議で可決・成立
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200617/k10012473761000.html

改正科学技術基本法が成立
https://mainichi.jp/articles/20200618/ddm/012/040/039000c

議案審議情報
件名 科学技術基本法等の一部を改正する法律案
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/201/meisai/m201080201047.htm

議案名「科学技術基本法等の一部を改正する法律案」の審議経過情報
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DCF1BA.htm

 昨年来議論されていました科学技術基本法の改正案が日本共産党以外の賛成多数で可決され、科学技術・イノベーション基本法となりました。来年4月1日から施行されます。

 1995年に議員立法で成立した科学技術基本法

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kagaku/kihonkei/kihonhou/mokuji.htm
https://www8.cao.go.jp/cstp/cst/kihonhou/mokuji.html

 これに基づき科学技術基本計画が5年ごとに制定されています。現在第5期で、もうすぐ第6期になります。

 今回の改正では、人文社会科学もその対象に含まれること、イノベーションを前面に打ち出していることが大きなポイントです。

 今回の改正については、期待の声がある一方、懸念の声も出ています。

科学技術基本法の改正で変わること
https://www.enago.jp/academy/science-and-technology-basic-law_2020/

科学技術基本法」改正へ…何が変わる?
https://newswitch.jp/p/20099

科学技術基本法改正案の問題点について
https://okochi-t.hatenadiary.org/entry/2020/05/30/220223

【声明】 科学技術基本法改正案に反対する
http://www.jsa.gr.jp/03statement/JSAseimei_SciTecBasicLaw20200316.pdf

科学技術基本法改正に関する日本学術会議幹事会声明
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-kanji-4.pdf

 産業応用が前面に出ている点に評価と懸念があります。人文社会科学も産業応用のために動員されるという印象もあり、国家体制に人文社会科学が取り込まれて良いのか、という声も聞かれます。

 国会の会期末に議論が数日で終わってしまったことに懸念を示す声もあります。

 科学技術基本計画含め、科学技術政策を多くの人が関心を持ってウォッチしていく必要があり、このメルマガでも引き続いて情報収集していきたいと思います。

日本学術会議公開シンポジウム 「学術研究と科学技術基本法―その科学史技術史的検討」
□ 日 時 2020 年 7 月 26 日(日) 13:00~16:00 □ 会 場 オンライン方式での開催
http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf2/291-s-0726.pdf

 日本学術会議がシンポジウムを行うとのこと。これも注目です。

★新型コロナがあぶりだす日米政府の科学軽視
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60441420X10C20A6000000/

 科学技術・イノベーション基本法が議論される最中のパンデミックです。

 産業応用ではない、今ここにある危機に科学界、学術界と政治の関係は果たしてうまくいったのか。疑問が呈されています。

★政治化された「エビデンス」 新型コロナ研究不正疑惑の波紋
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9d331c5259d9f627f187392072467762ff79ecd

 政治と科学との関係のきな臭さが、今回のパンデミックによってあらわになりつつあります。

★Surgisphere Sows Confusion About Another Unproven COVID-19 Drug
https://www.the-scientist.com/news-opinion/surgisphere-sows-confusion-about-another-unproven-covid19-drug-67635

Opinion: Surgisphere Fiasco Highlights Need for Proper QA
https://www.the-scientist.com/news-opinion/opinion-surgisphere-fiasco-highlights-need-for-proper-qa-67630

 怪しい会社に関して、様々な疑惑が出ていますが、この会社のみならず、「一攫千金」を狙う海千山千が危機をチャンスと捉え参入してくるのを防ぐことはできず、問題はどうやったら怪しい結果を早急に察知できるかということです。

★コロナ時代の科学研究(上)論文急増、共有素早く
世界4万本 査読前公開が後押し 質と両立課題
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60531690Y0A610C2TJM000/

急増する論文、問われる質 速さと信頼性の両立課題
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60531690Y0A610C2TJM000/

 いずれも日経新聞の記事ですが、ウェブに公開されたのち紙面にも掲載されました。

ネットも活用し「公開後査読」を
専門家に聞く
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60572750Z10C20A6TJM000/

 カセイケン代表榎木もコメントしました。

 ポイントは情報をオープンにしたのちに公開で議論することだと思っていますが、このスタイルだと、研究者の業績をどう取り扱うのか、という大きな問題が出てきます。

 論文数やインパクトファクターの問題点はすでに多方面で言われていますが、誰をポジションにつけるかという問題は、査読に疑問符がつけられている現在、解決策は明らかではありません。

★K値プレプリント原稿についてのコメント
https://blog.goo.ne.jp/gooquruquru/e/6082bcfd53d2675c3f385177baf42547

注目される新型コロナの新指標「K値」
https://www.sankei.com/life/news/200622/lif2006220031-n1.html

 プレプリントの段階で政策に取り入れられてしまったK値。

 様々なバックグラウンドを持った人が自由に意見を述べることは大いに支持しているのですが、政策に取り入れられるとなると話は別です。

 先週も書きましたが、為政者が自らの政策に都合の良い研究をつまみ食いしてしまう危険性は常に警戒してしないといけません。

★COVID-19パンデミックなど公衆衛生のためのデータ利用とプライバシーに関する議論の前提に疑義。両者にトレードオフは成立しない(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12123

 「いかなる状況下においても、データの収集と利用の際にプライバシーは優先されるべき」という指摘は重く受け止めないといけません。

★新型コロナワクチンで製薬企業は高額特許料を取るのか 貧しい人に届く仕組みとは
https://mainichi.jp/articles/20200620/k00/00m/030/153000c

クローズアップ:ワクチン主導権、綱引き WHO、特許権に制限要求/米製薬大手、開発費の回収必要
https://mainichi.jp/articles/20200621/ddm/003/040/066000c

 今回のパンデミックでも、製薬企業の特許問題が出てきました。パンデミックは既存の問題をあらわにします。

PCR検査強化、保健所増員…10年前に提言されていたのに…新型コロナに生かされず
https://www.tokyo-np.co.jp/article/36912/

★「対岸の火事と…」生かされなかった教訓 いま保健所は
https://www.asahi.com/articles/ASN6Q7WBKN6MULBJ006.html

★感染拡大せず「日本スゴイ」…80年前と重なる嫌な流れ
https://www.asahi.com/articles/ASN6N54S3N6HUPQJ006.html

 日本の弱点はチェックにあります。何が良くて何が悪かったのか、冷静に議論ができず、かつ議論したとしてもそれを次に活かせません。

 批判を非難と思う、責任者を追及する、メンツを潰さないことが優先される、結果オーライ、蒸し返すな…。

★批判の文化が日本を技術後進国にしているかもしれないという話
https://simplearchitect.hatenablog.com/entry/2020/06/22/083821

 先日リリースされたアプリに対し批判が集まっています。

新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)をリリースします
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11954.html

 批判がいけないのではなく、批判が非難になってしまうのが問題だと思います。具体的な「こと」を明示せず、人を印象的な言葉で貶める…。

★医療従事者にSNSで攻撃的な批判…感染症医が明かすコロナとの闘いと「孤立感」
https://news.yahoo.co.jp/articles/34e874a70f7ca6833fe80ac8811afd55f80da4ab

★国際感染症センター長がいま明かす「恐怖と焦りといら立ち」
https://news.yahoo.co.jp/articles/79b7bccd36c1be7cc15da87bc0090a00750a772b

 批判をする方、受ける方、双方とも、建設的に意見を交わす議論の作法を学んでほしいですが、SNS時代は断定的な言葉のほうが強く、難しい問題です。

「言い切る人」が強すぎる。
https://blog.tinect.jp/?p=65346

 現在新型コロナウイルスの感染が落ち着いたという感覚がなし崩し的に広がっていますが、危険な感じがします。

★迫るオーバーシュート、専門家の葛藤 日本モデルの真相
https://www.asahi.com/articles/ASN6N6QS1N6GPLZU001.html

★病床埋まる恐怖、届かぬ支援 「医療崩壊が起きていた」
https://www.asahi.com/articles/ASN6P6JM6N6LULBJ01T.html

 4月くらいの状況を振り返る記事が出ています。こうした振り返りを次につなげられるか…。

★専門家会議「議事概要」は落第 歴史にどう向き合う
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60623470S0A620C2I00000/

 議事録問題も、炎上やメンツなどの問題と繋がり、冷静に議論、振り返りができないことからきている様に思います。

★新型コロナ 大学研究室でPCR検査 迅速化・件数増、切り札なるか
https://mainichi.jp/articles/20200617/dde/001/040/040000c

 PCR問題も冷静に語れないトピックとなってしまいました…。

★コロナ禍のオンライン授業で大学改革が進む。学長たちの声
https://newswitch.jp/p/22699

★定期試験どうする? 各大学が模索
https://www.chunichi.co.jp/article/75987

★新型コロナを「戦争」の隠喩で語るのはやめよう
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020061700007.html

★Scathing COVID-19 book from Lancet editor — rushed but useful
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01839-y

 早くも本が出版。

★検証:ブラジル、感染世界2位 譲れぬ「経済優先」
https://mainichi.jp/articles/20200618/ddm/002/040/076000c

安倍総理は令和2年第9回経済財政諮問会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202006/22keizaishimon.html

令和2年第9回経済財政諮問会議
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0622/agenda.html

資料7 「経済財政運営と改革の基本方針2020(仮称)」骨子(案)(PDF形式:124KB)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0622/shiryo_07.pdf

デジタル化へ集中投資 コロナ感染拡大を受け 「骨太の方針
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200622/k10012479741000.html

新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査 報告書
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000082.html

コロナ情報、95%以上が1日1回以上見聞き-総務省が報告書を公表
https://www.cbnews.jp/news/entry/20200619195201

★次世代加速器ILCの日本建設 欧州研究所が支持
https://www.sankei.com/life/news/200619/lif2006190087-n1.html

★「新型コロナで社会の形大きく変わる」 政府、今年の科学技術白書を閣議決定
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/06/20200616_01.html

令和2年版 科学技術白書
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa202001/1421221.html

 白書が次々と出ています。

★令和の時代に向けて平成期の我が国水産業を振り返る〜令和元年度水産白書の公表〜
https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kikaku/200616.html

令和を担う若い世代の食育を特集~「令和元年度食育白書」の公表~
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/hyoji/200616.html

「令和元年度食料・農業・農村白書」の公表について
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo04/200616.html

東京港青海ふ頭におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/108139.html

東京港ヒアリ200匹超発見 巣は確認されず 昨年の場所とは別区画で
https://mainichi.jp/articles/20200619/k00/00m/040/363000c

 ヒアリへの関心を失ってはいけません。

★「2位じゃ駄目か」の蓮舫氏、富岳世界トップで「努力に敬意」 
https://www.sankei.com/life/news/200623/lif2006230003-n1.html

スパコン富岳、世界一 「2位じゃだめ」追及の京に続き
https://www.asahi.com/articles/ASN6Q7GK0N6LPLBJ00C.html

日本のスパコン「富岳」、8年半ぶり世界一奪還
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60655390S0A620C2MM8000/

富岳、コロナ対策でも活躍 目指したのはオンリーワン
https://www.asahi.com/articles/ASN6Q7RT0N6LULBJ00D.html

 11年前の事業仕分け蓮舫議員の言葉ですが、本来の意味とは違って言われ続けています。ワンフレーズの強さ、怖さを感じざるを得ません。

★東大、初の大学債発行 10年で1000億円超調達へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60556840Z10C20A6EA4000/

★大阪大、研究型企業に100億円、コロナ下でも新ファンド
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60572950Z10C20A6FFT000/

 東西の旧帝大の動向。

日本女子大が「女性自認」受け入れ
https://mainichi.jp/articles/20200620/ddm/012/040/053000c

★2020年 6月19日
提言「地球温暖化対策としての建築分野での木材利用の促進」(PDF形式:1,319KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t289-3.pdf

2020年 6月18日
提言「科学的エビデンスを主体としたスポーツの在り方」(PDF形式:1,568KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t290-5.pdf

2020年 6月18日
回答「科学的エビデンスに基づく「スポーツの価値」の普及の在り方」(PDF形式:1,284KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-k290.pdf

2020年 6月17日
提言「低平地等の水災害激甚化に対応した適応策推進上の重要課題」(PDF形式:716KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t290-1.pdf

2020年 6月16日
提言「パワーレザー技術と高エネルギー密度科学の量子的飛躍と産業創成」(PDF形式:1,645KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t291-2.pdf

2020年 6月16日
提言「日本の停滞を打破し新産業創出を促す社会基盤と研究強化~応用物理からの提言~」(PDF形式:1,008KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t290-3.pdf

 今期の日本学術会議が終わろうとしているのが分かります。

★The ‘lab in your phone’ game that taught me four key transferable skills
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01870-z

★Springer Nature社、UCとTAに関するMoUを締結したと発表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12122

University of California strikes research access deal with Nature publisher, putting pressure on Elsevier
https://www.statnews.com/2020/06/16/university-california-springer-nature/

Springer Nature and UC Strike Largest Open-Access Deal in US
https://www.the-scientist.com/news-opinion/springer-nature-and-uc-strike-largest-open-access-deal-in-us-67640

★進化論の誤用、憲法改正に引用 自民のツイートに批判
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN6N7DSCN6NULBJ00J.html

進化論誤用は「分かりやすくするため」 批判に自民見解
https://www.asahi.com/articles/ASN6Q6674N6QULBJ00V.html

 進化論は俗説が流れやすく、為政者が都合よく解釈しがちです。科学と政治の関係の一つの問題点でもあります。

★本庶氏、226億円求め小野薬品を提訴 オプジーボ巡り
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60545340Z10C20A6AC8000/

本庶氏が小野薬品を提訴 産学連携の契約、工夫必要
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60591970Z10C20A6EA3000/

小野薬品株主「本庶氏と和解して」 特許使用料めぐり
https://www.asahi.com/articles/ASN6L5438N6LPLFA001.html

★世界中で広がる抗議 黒人差別がむしばむ科学を考える
https://www.asahi.com/articles/ASN6K6JYJN5VUBQU005.html

Mathematicians urge colleagues to boycott police work in wake of killings
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01874-9

★What the data say about police brutality and racial bias — and which reforms might work
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01846-z

Academic societies' role in curbing police brutality
https://science.sciencemag.org/content/368/6497/1322.1.full

Racism — Nature must track diversity of staff and publications
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01825-4

An Open Letter: Scientists and Racial Justice
https://www.the-scientist.com/news-opinion/an-open-letter-scientists-and-racial-justice-67648

What Black scientists want from colleagues and their institutions
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01883-8

★Combating sexual harassment
https://science.sciencemag.org/content/368/6497/1291.full

★NIH requires disclosure about sexual harassment by grantees
https://science.sciencemag.org/content/368/6497/1301.full

★Shut down ‘risky’ meat markets to stop disease: WWF
https://www.scidev.net/global/agriculture/news/shut-down-risky-meat-markets-to-stop-disease-wwf.html

 野生動物食市場が新規感染症の発生源となっていますが、単純に閉鎖するだけでは、野生動物を蛋白源にしている貧しい人々を苦しめるだけです。

★Boosting research without supporting universities is wrong-headed
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01788-6

★Trump Expected To Suspend H-1B, Other Visas Until End Of Year
https://www.npr.org/2020/06/20/881245867/trump-expected-to-suspend-h-1b-other-visas-until-end-of-year

★U.S. science groups wary of new Senate bills to curb foreign influences
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/us-science-groups-wary-new-senate-bills-curb-foreign-influences

‘Has it peaked? I don’t know.’ NIH official details foreign influence probe
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/has-it-peaked-i-don-t-know-nih-official-details-foreign-influence-probe

 外国、特に中国の影響を受けた研究者に厳しい姿勢で臨む米国。

★U.S. academic research funding stays healthy despite pandemic
https://science.sciencemag.org/content/368/6497/1298

 米国は科学重視なのか軽視なのか分かりません…。

CERN makes bold push to build e21-billion super-collider
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01866-9

European physicists boldly take small step toward 100-kilometer-long atom smasher
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/european-physicists-boldly-take-small-step-toward-100-kilometer-long-atom-smasher

★「ジョブ型」に労働規制の壁 コロナ下の改革機運に水
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60599430Q0A620C2MM8000/

(いちからわかる!)雇用を「ジョブ型」に、日本でも広まる?
https://www.asahi.com/articles/DA3S14520998.html

★アカデミスト、アカリクと協働で月額支援型クラウドファンディングの大学院生向け特別プログラムを開始
https://www.corp.academist-cf.com/post/press200615

★無理して大学進学しても報われないわけ
https://bit.ly/2YZ2TFR

 ちきりん氏。博士号取得者が活躍できな理由を問うています。

★Undergrads in charge
https://science.sciencemag.org/content/368/6497/1394.full

How undergrads can shape their own education
https://www.sciencemag.org/careers/2020/06/how-undergrads-can-shape-their-own-education

 ミシガン大学Akira Nishii氏。

ドヤ顔で入り込む「異端」、知の独占と解放の争い

2020年6月9日~2020年6月16日
カセイケン代表 榎木英介

 緊急事態宣言が解除され、街中も以前とまではいきませんが、日常が少しずつ戻ってきています。

 しかし、東京での新規感染者の報告を見るに、どこかでウイルスが人から人へと広がっているわけで、警戒を怠ってはいけません。

★新しいニセ医学「新型コロナ否認主義」
標準的な医学的知見を否定する名誉教授と市議会委員
http://natrom.hatenablog.com/entry/2020/06/15/113000

 新型コロナウイルスなどない、という人が一部にいるようです。流石にそれは逆張りのしすぎですし、害があります。

 ウイルス存在否定は、対策を立てなくてよいわけですから、政治に入り込むと厄介です。

★Brazil President Embraces Unproven ‘Cure’ as Pandemic Surges
https://www.nytimes.com/2020/06/13/world/americas/virus-brazil-bolsonaro-chloroquine.html

 ノーガードのブラジルは死者数が増加していますが、「ブラジルのトランプ」Bolsonaro大統領が科学無視、軽視なので、事態は深刻です。

★第2回大阪府新型コロナウイルス対策本部専門家会議
http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/2019ncov/sennmonnka2.html

 大阪大学核物理研究センター 中野教授が新型コロナウイルスの「収束スピードは一定で緊急事態宣言の効果は極めて限定的」と述べています。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/37375/00366407/06%20siryo1-2.pdf

 経済を止める必要がないという中野教授の意見を魅力的に感じる人、特に政治家は多いでしょう。

 中野教授が唱えるK値に関して、Twitterなどで議論が起きています。

 K値がたとえ将来的に意義のある値であることが分かったとしても、プレプリントの段階であるK値が大阪府の政策に取り入れられるのは早いのではないかという意見があります。

★政治化された「エビデンス」 新型コロナ研究不正疑惑の波紋
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20200612/pol/00m/010/006000c

コロナ治療薬研究でデータ収集会社に疑義、論文3本取り下げ
ノーベル賞「イベルメクチン」の有効性を示す論文も
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020060900003.html

Surgisphere Fallout Hits African Nonprofit’s COVID-19 Efforts
https://bit.ly/3cRaw6l

Authors, elite journals under fire after major retractions
https://science.sciencemag.org/content/368/6496/1167.full

The Pandemic Claims New Victims: Prestigious Medical Journals
https://www.nytimes.com/2020/06/14/health/virus-journals.html

 先週お伝えした論文撤回問題。査読は問題論文を防ぐことはできないし、プレプリントの段階で政策に取り入れられる可能性もある…。

 スピードと正確性のバランスがスピードに寄りすぎているのではないかという懸念が各方面から出てきます。

 各方面から出てくる「異端」「極論」、耳障りの良い研究…。それに飛びつく政治家など…。科学と政治、社会の関係は、答えを出すことが難しい岐路にきているように思います。

★A Pandemic Moves Peer Review to Twitter
https://www.bloomberg.com/amp/opinion/articles/2020-05-05/coronavirus-research-moves-faster-than-medical-journals

 プレプリント公開査読時代が来るのでしょうか。

★MITが出版社エルゼビアとの契約交渉を終了、研究成果をオープン利用するための枠組みに沿った提案がなかったため
https://gigazine.net/news/20200612-mit-elsevier-negotiation/

Elsevier社とのビックディールを最近キャンセルした、米国の3機関の図書館員によるコメント(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12106

 エルゼビア問題。MITは強気のディール。一部の会社の「知の独占」に対するオープンアクセス。資金面をどうするかは大きな課題です。

無知の知を意味する「知的謙虚さ」の欠如が多くの問題を引き起こしているという指摘
https://gigazine.net/news/20200613-lack-of-humility/

 知らないということを知っているという「無知の知」。この知的謙虚さは「妥協するタイプ」とみなされるとのこと。

 SNSでも自信満々に極論を言う人がもてはやされるわけで、なかなか難しいところです。

★専門家会議、「役割」どこまで コロナ対策で積極発信、批判も
https://www.asahi.com/articles/DA3S14509212.html

★「8割おじさん」のクラスター対策班戦記【前編】~ 厚労省のビルから北大の研究室に戻るにあたり伝えたいこと
https://news.yahoo.co.jp/articles/7296592623494483d13edd5da3a75bb9eb35ee9b

★「8割おじさん」のクラスター対策班戦記【後編】~次の大規模流行に備え、どうしても伝えたいこと
https://news.yahoo.co.jp/articles/602a038dc47f6aa1a3952ba5f318888f50cc0713

★【特別寄稿】「8割おじさん」の数理モデルとその根拠──西浦博・北大教授
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/8-39.php

 日本の新型コロナウイルス対策は「異端」を選択はしませんでした。

 とはいえ、繰り返し書いているように、科学的助言を政府に対してするという専門家の役割を超えた行動に賛否が出ています。

★イタリア首相を検察が聴取へ 新型ウイルス拡大、遺族ら告訴
https://www.bbc.com/japanese/53018502

 政策の責任はあくまで政治にあるわけで、訴えられるとしたら政治家です。しかし、イタリアではラクイラ地震のように専門家が訴えられたこともあります。

 緊急事態宣言は要らなかった、経済的損失の責任をとれ、という声が専門家に向かう可能性は消えていないと思っています。

★The world economy on a tightrope
http://www.oecd.org/economic-outlook/june-2020

ニューノーマルな研究活動の在り方に向けての取組・アイデア調査
https://jp.surveymonkey.com/r/68NX3V8

文部科学省「科学技術ワクワク挑戦チーム」
経済産業省「若手WG」事務局
・アカデミスト株式会社
・官民若手イノベーション論ELPIS

2020.6.21(日)までとのこと。

★抗体保有調査の結果について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11892.html

都内の抗体保有率0.1%、海外より低水準 厚労省検査
大阪0.17%、宮城は0.03%
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60391960W0A610C2MM0000/

 巻頭言執筆中に入ってきました。

★Science in the face of the COVID-19 crisis
OECD Science Flash Survey 2020
https://oecdsciencesurveys.github.io/2020flashsciencecovid/

★Borrow crisis tactics to get COVID-19 supplies to where they are needed
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01750-6

 日本でも防護服やマスクの供給の問題が生じました(まだ解決していません)。

★多核種除去設備等処理水の取扱いに係る書面での意見募集期限を延長します
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200612005/20200612005.html

処理水の意見公募を再延長 経産省、7月15日まで
https://www.sankei.com/life/news/200612/lif2006120027-n1.html

★若手研究者に7年間で最大5000万円支給へ 独創的な研究を支援
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200614/k10012469761000.html

 創発的研究支援事業です。

創発的研究支援事業」の公募開始に当たっての文部科学大臣からのメッセージについて
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2020/mext_00216.html

本事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7 年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10 年間)にわたり長期的に支援するものです。

 評価の声がある一方、結局のところ7年終了してもポスト問題が解決しなければ意味がないという声もあります。

安倍総理は令和2年度第2次補正予算成立等について会見を行いました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202006/12bura.html

★令和2年度 補正(第2号)各目明細書
https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h31/1413361_00013.htm

 第2次補正予算が成立。

★フィリピンからの入国後に狂犬病を発症した患者(輸入感染症例)の死亡について(続報)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11874.html

 患者さんが亡くなられました。ご冥福をお祈りします。狂犬病の怖さを改めて感じます。

★医薬品規制調和国際会議(ICH)総会が開催されました
~3つのガイドラインを新たに採択、各国の薬事規制に取り込みへ~
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11785.html

★令和2年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の閣議決定について
https://www.env.go.jp/press/108093.html

政府、『気候危機』を指摘し社会変革求める環境白書を決定
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/06/20200615_01.html

気候変動を「気候危機」と表現 環境白書
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60279730S0A610C2EAF000/

★QS、世界大学ランキング2021を発表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12105

 大学ランキングに一喜一憂しない、と毎回書いていますが…。

★「未来からの問い」特設HP/公開対談「新型コロナウイルス後の世界」
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/tenbou2020/after-corona.html

★Alexa, do science! Voice-activated assistants hit the lab bench
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01683-0

★What Hollywood can teach researchers about scientific storytelling
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01731-9

★Thousands of scientists worldwide to go on strike for Black lives
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01721-x

Systemic racism: science must listen, learn and change
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01678-x

#ShutDownSTEM and the Nature Podcast
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01729-3

Note from the editors: Nature joins #ShutDownSTEM
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01723-9

IBM will no longer offer, develop, or research facial recognition technology
https://www.theverge.com/2020/6/8/21284683/ibm-no-longer-general-purpose-facial-recognition-analysis-software

Make space for scientists from minority groups to share their experience
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01739-1

Lab heads: how have your minority ethnic trainees fared?
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01760-4

Rethink economics to help marginalized people
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01753-3

How #BlackInTheIvory put a spotlight on racism in academia
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01741-7

Researchers around the world prepare to #ShutDownSTEM and ‘Strike For Black Lives’
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/researchers-around-world-prepare-shutdownstem-and-strike-black-lives

Time to look in the mirror
https://science.sciencemag.org/content/368/6496/1161.full

 人種、差別問題は「そんなのない」という問題否定の誘惑に駆られがちです。問題から目を逸らさず直視することが求められています。

★NIH strengthens policies to alert agency to sexual harassment by grantees
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/nih-strengthens-policies-alert-agency-sexual-harassment-grantees

★Prominent Harvard anthropologist put on leave
https://science.sciencemag.org/content/368/6496/1172.full

★米ロサンゼルスで中国人科学者を逮捕、人民解放軍所属のスパイか
https://www.afpbb.com/articles/-/3288155

Fifty-four scientists have lost their jobs as a result of NIH probe into foreign ties
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/fifty-four-scientists-have-lost-their-jobs-result-nih-probe-foreign-ties

 米中対立は激化。

★Good news: US classrooms are warming to evolution, thanks in part to scientist outreach
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01454-x

創造論を進化論に代わる科学的に有効な選択肢として提示する米国の中等教育学校の生物学教師の割合は、2007年の32%から2019年には18%に減少」とのこと。

インターンシップを採用に直結 まず院生、産学が試行へ
https://www.asahi.com/articles/ASN6H742BN6HULFA01G.html

採用、学生にガッツ要る?早大の総長、経団連会長に問う
https://www.asahi.com/articles/ASN6H74SCN6CULZU001.html

 大学院生がインターンシップに行き、それをもとに採用が決まる…。

 かつて私は文科省ポスドクキャリア事業の評価委員をしていましたが、この事業でこうしたインターンシップを行ったところ、企業側の博士に対する評価が上がるなど、高評価でした。

 とはいえ、博士課程の研究を中断してインターンシップに出ることに反対論もあり、制度設計は慎重にしなければなりません。

★Don’t let academia consume you
https://www.sciencemag.org/careers/2020/06/don-t-let-academia-consume-you

★How I learned to speak up for myself about authorship
https://www.sciencemag.org/careers/2020/06/how-i-learned-speak-myself-about-authorship

査読制度の疲労、プレプリントと学術情報

2020年6月2日~2020年6月9日
カセイケン代表 榎木英介

 ビッグニュースが飛び込んできました。

 Yahooニュース個人に記事を書きましたが、ランセットニューイングランドジャーナルオブメディシン(NEJM)という超有名医学誌の論文が相次いで同じ原因で撤回されました。

一流医学誌で論文撤回~新型コロナウイルスの研究に何が起こっているのか
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20200606-00182065/

新型コロナ 英文誌での論文撤回 ここから私たちが学ぶべきこと
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200606-00182086/

 忽那賢志氏がいうところの週刊少年ジャンプとマガジンほどの大雑誌ですから、その衝撃は大きいです。

Disputed Hydroxychloroquine Study Brings Scrutiny to Surgisphere
https://www.the-scientist.com/news-opinion/disputed-hydroxychloroquine-study-brings-scrutiny-to-surgisphere-67595

マラリア薬の危険性指摘した論文撤回 新型コロナ治療の研究に疑義 米企業関与
https://mainichi.jp/articles/20200605/k00/00m/030/083000c

「コロナ感染者が抗マラリア薬服用、死亡率高まる」論文を米大学撤回
https://www.yomiuri.co.jp/science/20200605-OYT1T50257/

Two elite medical journals retract coronavirus papers over data integrity questions
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/two-elite-medical-journals-retract-coronavirus-papers-over-data-integrity-questions

Live updates: Authors retract study showing hydroxychloroquine was dangerous to hospitalized covid-19 patients
https://www.washingtonpost.com/nation/2020/06/04/coronavirus-live-updates-us/

High-profile coronavirus retractions raise concerns about data oversight
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01695-w

A mysterious company’s coronavirus papers in top medical journals may be unraveling
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/mysterious-company-s-coronavirus-papers-top-medical-journals-may-be-unraveling

Governments and WHO changed Covid-19 policy based on suspect data from tiny US company
https://www.theguardian.com/world/2020/jun/03/covid-19-surgisphere-who-world-health-organization-hydroxychloroquine

 調べれば調べるほど怪しい会社で、どうしてこのような会社が論文作成に関わったのかわかりません。

The Surgisphere Founder and the Melba Toast figure
https://scienceintegritydigest.com/2020/06/06/the-surgisphere-founder-and-the-melba-toast-figure/

 ネカトハンター、エリザベスビク博士は、怪しい会社の代表の博士課程の論文に画像加工があったことを見出しています。

 STAP細胞事件との類似性も感じます。

 信頼できる人との評判もあった一方、低い評価もあった代表。いつの間にかランセットやNEJMの著者として入り込んだ…。

 論文発表後にネット上で問題点が指摘され、比較的早期に撤回されたという点も似ています。

★Assuring research integrity during a pandemic
https://blogs.bmj.com/bmj/2020/06/08/assuring-research-integrity-during-a-pandemic/

 クライシス状態の中での研究倫理が問われています。

 結局のところ、査読制度に制度疲労が来ていると言えるかもしれません。

 Yahooニュース個人の記事にも書きましたが、ピアレビューは研究者のボランティアで、業績評価になりません。やればやるほど自分の研究ができなくなるという悪循環を引き起こします。

査読歴も研究者評価の対象に
https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03308_02

 現在プレプリントも含め、COVID-19論文の爆発的増加が起きています。

★Digital Science社、“How COVID-19 is Changing Research Culture”を公表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12091

知見として、6月1日時点で、COVID-19に関する学術論文4万2,700件以上、臨床試験3,100件、データセット420件、特許270件、関連ポリシー750件、助成プログラム150件が確認されたこと、プレプリントが定着しつつあり5月初旬には同感染症の研究成果の1/4を占めたこと、これまでに8,300機関以上の7万1,800名の研究者がCOVID-19研究に関与していることなどを示している。

★Pandemic puts preprints first
https://cen.acs.org/policy/publishing/Pandemic-puts-preprints-first/98/i22

 プレプリント段階での研究成果の流布は様々な問題を引き起こします。

★(注意喚起)査読前のpreprint段階の研究成果の大学等によるプレスリリースと報道のあり方について
https://note.com/amacrinecell/n/na1e3ec4352dc

 査読もプレプリントも大きな問題があります。

★提言 オープンサイエンスの深化と推進に向けて
令和2年(2020年)5月28日 日本学術会議
オープンサイエンスの深化と推進に関する検討委員会
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t291-1.pdf

 一つの考え方としては、オープンサイエンスの徹底です。

 未査読論文も査読論文もオープンに公開後に様々な人たちから精査されればいいわけです。ただ、そうなると研究者の業績評価をどうするかなど様々な問題が生じます。

★議事録が作成されないもどかしさ
専門家会議巡る報道、見えない政権内部の議論
https://this.kiji.is/642595045021697121

 情報の透明化は政治も同じです。大衆は情報を出すとパニックに陥るというのは「エリートパニック」です。

★ブラジル、新型コロナ死者数などデータを非公開に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60081590X00C20A6000000/

 これはダメです。他の国をとやかく言うべきではないのかもしれませんが。

スウェーデン新型コロナウイルス対策が「完全なる失敗」に終わったと言える理由
https://wired.jp/2020/06/04/sweden-coronavirus-herd-immunity/

スウェーデン「改善余地」 新型コロナ、独自戦略で
https://www.chunichi.co.jp/article/67449

 これも他国云々すべき問題ではありませんが…。

★Frozen cells and empty cages: researchers struggle to revive stalled experiments after the lockdown
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01704-y

The pandemic mixed up what scientists study – and some won’t go back
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01525-z

★Will the pandemic permanently alter scientific publishing?
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01520-4

★Sputnik moment or budget breaker: How will the pandemic alter research funding?
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01519-x

★How scientific conferences will survive the coronavirus shock
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01521-3

 研究もアフターコロナ、ウィズコロナで変わらざるを得ません。

★新型コロナの影響で全国の3分の2の病院が赤字転落、東京都のコロナ患者受け入れ病院では9割が赤字―日病・全日病・医法協
https://gemmed.ghc-j.com/?p=34311

 医療という社会インフラのあり方も問われています。

★「なぜ政府は留学生だけ差別するのか」 大学教員たちが立ち上がった理由
https://mainichi.jp/articles/20200608/k00/00m/040/141000c

 学生が陥っている苦境も深刻です。

★「コロナで耐えきれない」研究も仕事も…窮地の大学院生
https://news.yahoo.co.jp/articles/66ae1152339872012c0e4700453a909bbdf24ffe

★唾液を用いたPCR検査の導入について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11636.html

★「COVID-19感染拡大による経済的影響の緩和に関するASEAN+3経済大臣共同声明」が発出されました
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200604001/20200604001.html

EUと日本、ホライズンヨーロッパとムーンショットで協力
https://scirex.grips.ac.jp/news/archive/200604_2405.html

★第2次補正予算
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/fy2020.html

第2次補正予算閣議決定(令和2年5月27日)
令和2年度補正予算(第2号)案
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/hosei0527.html

国会提出、審議開始
令和2年6月8日
第201回国会における麻生財務大臣の財政演説
https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/fiscal_policy_speech/20200608.html

令和2年度補正予算(第2号、特第2号及び機第2号)等の説明
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/hosei020608a.html

令和2年度予算書の情報
https://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxss010br2.html

★「令和元年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2020)が閣議決定されました
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200605002/20200605002.html

★「科学ジャーナリスト賞2020」受賞作品
https://jastj.jp/jastj_prize/

毎日新聞・青野由利記者に日本記者クラブ賞 科学専門記者で初めて
https://mainichi.jp/articles/20200608/k00/00m/040/193000c

 どちらも毎日新聞が大活躍というところでしょうか。

 科学ジャーナリズムへの期待は大きいですが、一方厳しい批判にも晒されています。

 科学ジャーナリズムのあり方もアフターコロナ、ウィズコロナで考えていかなければなりません。

★When Your Supervisor Is Accused of Research Misconduct
https://www.the-scientist.com/careers/when-your-supervisor-is-accused-of-research-misconduct-67581

 日本でも事例があります。

オプジーボの小野薬品を提訴へ 本庶氏、特許使用料求め
https://www.asahi.com/articles/ASN65541DN61PLBJ007.html

ノーベル賞本庶氏と小野薬品の対立 京大に特許のノウハウなく判断できず「不信」に
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/270484

研究の「対価」どう決まる 海外でも熾烈な特許権争い
https://www.sankei.com/life/news/200605/lif2006050063-n1.html

Nobel laureate Tasuku Honjo to sue Japanese drug firm for 22 billion yen
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/nobel-laureate-tasuku-honjo-sue-japanese-drug-firm-22-billion-yen

 ついに提訴。いろいろな問題が含まれています。

国立天文台、軍事研究せず 自然科学機構9組織が助成不参加
https://news.yahoo.co.jp/articles/60246119f7a722e6cc142c99aa51aee938a0b10b

Reform retractions to make them more transparent
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01694-x

★Grieving and frustrated: Black scientists call out racism in the wake of police killings
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01705-x

‘I can't even enjoy this.’ #BlackBirdersWeek organizer shares her struggles as a black scientist
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/i-cant-even-enjoy-blackbirdersweek-organizer-shares-her-struggles-black-scientist

 アメリカの警官黒人殺害事件が研究にも大きな影響を与えています。

★Resist pseudoscience with respect, not ridicule
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01626-9

 これは重要な態度です。

★Prominent Harvard archaeologist put on leave amid allegations of sexual harassment
https://www.sciencemag.org/news/2020/06/prominent-harvard-archaeologist-put-leave--algations-sexual-harassmentpandemic pnds Uersities, federal support helps their labs stay afloat

★New Visa restrictions will make the US economic downturn worse
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uoc--nvr060320.php

★雇用制度、在宅前提に 「ジョブ型」や在宅専門の採用
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60084930X00C20A6MM8000/

★報告
理工学分野における ジェンダーバランスの現状と課題
令和2年(2020年)6月5日 日本学術会議
第三部 理工学ジェンダーダイバーシティ分科会
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-h200605.pdf

★人文学・社会科学系研究者にとって、「非常勤講師職」はどういう意味をもつか? – アンケート調査から見えたこと
https://academist-cf.com/journal/?p=13412

 非常に重要なアンケート。

★Stirring biopic of the first woman to win top maths prize
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01681-2

★How to transition from the lab to full-time science communicator
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01676-z

エビデンスに基づく政策形成を目指した取組に係る知見の比較分析と共有の在り方に関する調査報告書
https://scirex.grips.ac.jp/resources/archive/200608_2411.html

科学技術イノベーション政策に携わる行政官の政策企画・立案能力向上のための人材育成プログラム開発に係る調査研究
https://scirex.grips.ac.jp/resources/archive/200608_2410.html