科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

専門家兼リスクコミュニケーターの意義、課題

2020年4月21日~2020年4月28日
カセイケン代表 榎木英介

 COVID-19ですが、次第にその全貌が見えつつあります。

★A rampage through the body
https://science.sciencemag.org/content/368/6489/356

 血管炎が病態のキーになるのではないかということも言われ始めています。

新型コロナは血栓症だけではない。全身の血管が炎症を起こすことが問題。
https://togetter.com/li/1498501

 とはいえ、わからないことがまだまだ多いのが現状です。

新型コロナウイルス感染症に関する当院の状況について
http://www.hosp.keio.ac.jp/oshirase/important/detail/40171/

★『一般の患者6%陽性』、高い市中感染率をデータが示唆 厚労省が抗体、抗原検査で流行状況把握へ
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/04/20200424_01.html

 無症状の人の相当の割合の人が既に感染しているのではないかという示唆もあります。

 ニューヨークでの抗体検査の結果は、慎重に解釈しなければなりませんが、大きな驚きを持って受け止められました。

ニューヨーク州で14.9%に抗体、検査拡大後の結果-クオモ知事
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-27/Q9GHGLDWLU6E01

ニューヨーク州 約14%に抗体確認と発表 新型コロナ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200424/k10012403011000.html

First antibody surveys draw fire for quality, bias
https://science.sciencemag.org/content/368/6489/350

Antibody surveys suggesting vast undercount of coronavirus infections may be unreliable
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/antibody-surveys-suggesting-vast-undercount-coronavirus-infections-may-be-unreliable

The researchers taking a gamble with antibody tests for coronavirus
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01163-5

WHO、抗体あっても再感染する可能性を指摘 警戒呼び掛け 新型コロナ
https://mainichi.jp/articles/20200428/k00/00m/040/003000c

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した人々は免疫を獲得できているのだろうか
https://togetter.com/li/1497660

 今怖いのが、これだけ蔓延しているとなると、誰が患者か分からないということで、医療現場に容易に侵入します。

★「紛れ込み感染」か 大分医療センター院長、院内感染で見解 新型コロナ
https://mainichi.jp/articles/20200428/k00/00m/040/053000c

院内感染、元をたどると無症状の入院患者 迫る医療崩壊
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200427-00000082-asahi-sctch

新型コロナウイルス感染症の院内感染はなぜ起こるのか
https://news.yahoo.co.jp/byline/sakamotofumie/20200427-00175453/

 そして、解剖も大きな問題です。

★死後にコロナ感染がわかることも…いま解剖現場に忍び寄る恐怖と危険
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200427-00072093-gendaibiz-soci

遺体のPCR検査 独自に実施も 大学の法医学教室 新型コロナ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200427/k10012406781000.html

 解剖の抑制が死因不明、犯罪の見逃しになる可能性もあります。

 日本でも緊急事態宣言が続く中、どのような出口戦略をすべきか悩ましい状況になっています。

★Did Japan miss its chance to keep the coronavirus in check?
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/did-japan-miss-its-chance-keep-coronavirus-check

 日本の状況をどう捉えるかは評価が分かれるところではあります。

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(第 11 回)
日時:令和2年4月 22 日(水)
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/senmonka_sidai_r020422.pdf

新型コロナウイルス感染症対策本部(第 30 回)
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/sidai_r020422.pdf

 こうした現状の中、専門家の行うコミュニケーションに賛否両論が出ています。

 北大の西浦教授が「8割おじさん」(サイエンスの記事では“80% uncle”…まんまやん!)と称して、盛んにTwitterを更新。メディアにも登場しています。

 果たして専門家自らが、人々へ行動変容を訴えることが良いことなのか…。

★新型コロナ(COVID-19)危機に対する脆弱性分布と格差への示唆
Heterogeneous Vulnerability to the COVID-19 Crisis and Implications for Inequality in Japan
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/20040020.html

分析の結果、COVID-19危機は低所得者層により大きな打撃を与え、労働市場における格差拡大につながる可能性の高いことが鮮明となった。

 家にいることが難しい職業の犠牲の上に在宅勤務等があります。それを承知の上ではあると思いますが、専門家がステイホーム、行動変容を訴えているわけです。

 繰り返し述べていますが、専門家の知を受けて決断するのが政治であり、専門家が政治をしているわけではありません。やるのは矢口蘭堂だ(シン・ゴジラ)と思うわけです。

 とはいえ、例えば西浦教授は、自らの計算である程度の厳しい将来が来ることを人よりは早く知り、政府に伝えるだけでいいのか、口をつぐんで良いのか、と悩んだのかもしれません。

 ここには科学者の社会的責任という問題が生じます。災害が来るかもしれない、ということと、避難を指示するということの間には政治的決断が必要で、政治はなかなか動いてくれない、ならば自らが「逃げろ!」と叫びながら街を駆け回る…。

 そう、映画に出てきそうなシチュエーションです。

 今私たちが見ているものは、そうした状況なのか…。それは分かりませんが、西浦教授が「災後」に戦犯として処分される未来が見え隠れしてしまいます。

 そこにリスクコミュニケーションの専門家や実践家が関与する役割があるのか…。

★これからリスクコミュニケーションを始めようと思っている科学コミュニケーターの皆さんへ(佐野和美・帝京大学
https://note.com/covid19scicomm/n/n3112da67dbf1

 今ネット上では、専門家会議の発信する情報を肯定的に解釈し、解説して拡散するボランティア的な「ネット論客」が出てきています。そのうちのいくつかはフォローしたりもしており、決して専門家でもない市井の人たちの能力の高さを感じます。

 一方で、批判も重要です。

 問題は批判も肯定も、言葉が乱暴な人たちが一部にいることです。

 言葉の乱暴さを問うのは、トーンポリシングなのかもしれなく、決して否定するべきではありませんが、トーンポリシングは抑圧された人たちを押さえ込むことであり、元々抑圧されていない大学教員などが乱暴な言葉を使うのが良いのか、考えてしまっています。

 クライシスですから、言い方がどうのと言っている場合ではないのかもしれませんが。

★憧れの留学生活、コロナで一変 留年か就活か…悩む学生
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN4Q3DF6N4JUUPI005.html

★コロナ禍で明暗「留学終了」高校生の過酷な現状
電話もつながらず放り出されるケースも
https://toyokeizai.net/articles/-/346752

 学生や生徒が直面する状況に心が痛みます。特に、現在高校3年生である2002年度生まれの方々(私の娘も含まれるのですが)は、入試に翻弄され、新型コロナでも影響され、辛い学年となっているように思います。

★「#学費返還運動」に苦慮する大学~就実・明治学院神対応
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiwatarireiji/20200423-00174838/

★<新型コロナ>学費減額運動 100大学に拡大 「生活苦しい…授業受けられない学生いる」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020042702000124.html

 アルバイトもできない厳しい状況に直面する学生たち。大学も対応を始めています。

★早稲田大5億円、立教大10億円…学生への緊急支援
https://resemom.jp/article/2020/04/27/56016.html

早稲田大学が学生に10万円 新型コロナで緊急支援金
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000182671.html

明治学院大、在学生全員に5万円…明治大・上智大などもネット環境支援へ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200423-00000006-resemom-life

★困窮学生らへ4億円支援 東北大、給付型奨学金など新設
https://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/202004/20200424_73005.html

 しかしながら、財政力の高い大学が独自に支援を行うことが良いのかも考えます。

 上位の大学の学生が比較的裕福な家庭出身の人が多いという問題もあります。

★オンライン授業へ動く主要国立大、教育格差は生まれるか
https://newswitch.jp/p/22015

★医学部がオンライン授業をYouTubeLiveで配信するも皮膚科領域のグロテスクな画像で規約違反となり授業が強制終了される事態に
https://togetter.com/li/1498657

★オンライン授業の利点とコロナ後の大学のあり方
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020042200003.html

 オンライン授業がだいぶ広がってきていますが、医学の画像をグロテスク画像と認識されてしまうのは困ったものです。通信環境など格差の問題もあります。

★新型コロナ・緊急事態:PCR検査、病院苦悩
https://mainichi.jp/articles/20200426/ddm/041/040/045000c

★新型コロナ・緊急事態:都・健康安全研究センター PCR現場、綱渡り 機器増でも追いつかず/作業連続で2時間限界
https://mainichi.jp/articles/20200423/ddm/041/040/069000c

 PCRをやっている施設の負担が過剰になっているのはかねてからお伝えしていますが、民間の検査センターや大学等の活用はどうなのか、全体像が知りたいとことです。

★Untapped potential: More US labs could be providing tests for coronavirus
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01154-6

 もちろん、大学で検査を行うことには壁があります。

★手術減の医療機関へ損失補填を-全国医学部長病院長会議が新型コロナ対応で声明
https://www.cbnews.jp/news/entry/20200421172222

 病院は今経済的な危機に直面しています。患者を見る病院は負担が多い割に収入減、そうでない病院も収入減。そのあたりのことはYahooニュース個人に書きました

「前線」でも「後方」でも〜新型コロナが引き起こす経営破綻という名の医療崩壊
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20200426-00175315/

 防護服の不足は厳しいものがあります。

★「手術できなくなる。早くマスク、ガウンを」医療現場の人々がTwitterで訴えたこと
https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/corona-twitter-message-from-hospitals

医療用個人防護具の代替品
性能評価と作り方
https://covid-19-act.jp/ppe/

 代替品を作ることはできますが、問題は量産化です。

 防護服の供給を首相は表明していますが、とにかく早く現場に届いて欲しいです。

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会
http://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/model/index.html

概要報告(令和2年4月21日公表)

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルの検討について(概要報告)」の公表及び「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」設置について
http://www.bousai.go.jp/pdf/chidori_WG.pdf

防災対策実行会議(第15回)
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/jikkoukaigi/15/index.html

岩手など津波30メートル弱想定 日本・千島海溝地震
内閣府有識者
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58292970R20C20A4CE0000/

日本海溝・千島海溝でのM9級地震想定、北日本に最大30m津波内閣府有識者検討会
https://www.yomiuri.co.jp/science/20200421-OYT1T50159/

感染症拠点、3割超浸水も 大規模洪水発生で
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58528560X20C20A4CE0000/

 今災害が起きたらどうなるか。考えておかなければなりません。

★新型コロナ 雑踏、長い行列 店名公表、大阪のパチンコ店
https://mainichi.jp/articles/20200426/ddm/041/040/046000c

 アナウンス効果があったということですが、依存症の問題として考えないといけません。

★Polio, measles outbreaks ‘inevitable’, say vaccine experts
https://www.scidev.net/global/coronavirus/news/polio-measles-outbreaks-inevitable-say-vaccine-experts.html

 これは重大な問題で、ワクチンの摂取率の低下により、他の感染症アウトブレイクがあるかもしれないと危惧されています。

★Whose coronavirus strategy worked best? Scientists hunt most effective policies
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01248-1

 現段階では、ニュージーランドや台湾などがよくやっている国ということですが、現時点で判断するのは早いかもしれません。

★Reopening puts Germany’s much-praised coronavirus response at risk
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/reopening-puts-germany-s-much-praised-coronavirus-response-risk

 ドイツ。うまくいっているとされる国でも、出口をどうするか悩んでいます。

★‘Closing borders is ridiculous’: the epidemiologist behind Sweden’s controversial coronavirus strategy
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01098-x

Sunny Stockholm eyes herd immunity, but was Sweden's relaxed coronavirus strategy worth it?
https://www.abc.net.au/news/2020-04-24/swedens-capital-nears-herd-immunity-relaxed-coronavirus-strategy/12177514

 独自戦略をとるスウェーデン。果たしてうまくいくのか…。

新型コロナウイルス感染症対策 「次亜塩素酸水に関する情報」
https://note.com/amacrinecell/n/nd4292868635d

★(寄稿)人文知を軽んじた失政 新型コロナ 藤原辰史
https://www.asahi.com/articles/DA3S14456624.html

★日本もハーバード大のコロナ対策案を大至急検討すべきだで
https://bit.ly/35iJcvy

★Statement from Tasuku Honjo on COVID-19
https://www.kyoto-u.ac.jp/en/about/events_news/department/koto-kenkyu-in/news/2020/200427_1.html

 本庶教授が人工ウイルス説を肯定したというフェイクニュースが駆け巡りました。

★Opinion: Redefining Productivity in the Age of COVID-19
https://www.the-scientist.com/news-opinion/opinion-redefining-productivity-in-the-age-of-covid-19-67428

★Furloughs and Pay Cuts Announced for U of Arizona Employees
https://www.the-scientist.com/news-opinion/furloughs-and-pay-cuts-announced-for-u-of-arizona-employees-67444

★Coronavirus found in Paris sewage points to early warning system
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/coronavirus-found-paris-sewage-points-early-warning-system

★Pseudoscience and COVID-19 - we’ve had enough already
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01266-z

★‘Loving the minimal FOMO’: First major physics conference to go virtual sees record attendance
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01239-2

★Open science takes on the coronavirus pandemic
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01246-3

★Without food, there can be no exit from the pandemic
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01181-3

★How COVID-19 lockdowns could lead to a kinder research culture
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01144-8

安倍総理は令和2年第6回経済財政諮問会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202004/27keizaishimon.html

令和2年第6回経済財政諮問会議
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0427/agenda.html

議事

(1) 緊急提言
(2) 未来への変革に向けて

★超大型望遠鏡、揺れる計画 日本、今年度の建設費計上断念 ハワイのTMT
https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S14452282.html

★科学技術要覧 令和元年版
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/006/006b/1413901_00003.htm

 重要資料。

★20代~30代の産学官の若手による提言を取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200422001/20200422001.html

研究のあり方:真理探究志向の研究→社会変化までの研究へ

など。

環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラム(環境×SDGs一体推進パイロット・プログラム)の開始について
https://www.env.go.jp/press/107984.html

★How to tell whether you’re the victim of a bad peer review
https://www.sciencemag.org/careers/2020/04/how-tell-whether-you-re-victim-bad-peer-review

★アカデミアを離れてみたら
ポスドク街道11年の果てで進退窮ま……らなかった話
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/3316

★古代生物を神秘的なガラスアートで表現 作者はウミヘビ研究者からガラス作家へ異色の転身
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200423-00010007-kaiyou-ent

 多彩なキャリアを歩む人たち。ポストコロナの博士の生き方も考えなければならない課題です。

ポストコロナ もう元には戻れない

2020年4月14日~2020年4月21日
カセイケン代表 榎木英介

 新型コロナウイルスのことを書くしかないご時世ですが、しつこく書くしかありません

★「平常に戻る」ことはない
https://okuranagaimo.blogspot.com/2020/04/blog-post_18.html

★2022年まで「社会的距離」必要 米ハーバード大、新型コロナ再流行の恐れ予測
https://www.sankei.com/life/news/200415/lif2004150039-n1.html

★The lockdowns worked-but what comes next?
https://science.sciencemag.org/content/368/6488/218

 だんだんと見えてきたのが、

1)長い間影響を受け続ける
2)もう元にはもどらない

 の2点です。

 新型コロナウイルスは、いずれ新型と呼ばれなくなリ、人類の間で蔓延し続ける見込みが高まりました。

 コロナウイルスの先輩である風邪のように、人が集まるところで感染が広がり、少しずつ人が死んでいく。

 人類が滅びることはありません。なぜならそれではウイルスが繁栄できないから。

 もう2019年以前には戻れないのです。

★コロナと世界 「集まる自由」問い直す
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58063410V10C20A4MM8000/

 人の人たる集まるということができにくくなります。群れることができないというのはかなり痛い。コミュニケーションのあり方に劇的な変化が起こるでしょう。

★「トビタテ!留学Japan日本代表プログラム」にご応募・ご準備いただいた皆様へ(令和2年4月17日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index_00011.html

 留学も含め、世界との交流には制限がかかるでしょう。

 アフターコロナ、ポストコロナ…。なんと呼ぶかはどうでも良いですが、その世界を覚悟し、準備していかねばなりません。

★「未来からの問い」特設HP
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/tenbou2020/mirai-top.html

 日本学術会議。コロナと共存する未来が論じられるでしょう。

 ポストコロナにおいて研究活動がどうなるかはまだ見えてきません。

 未来を考えるのももちろん重要ですが、現在進行形で危機は続きます。

 まずはこの危機を乗り越えることが最優先。

★「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出検査の体制の課題対応について」
https://www.jslm.org/committees/COVID-19/20200413-1.pdf

 検査問題に関しては、現場が疲弊していっぱいいっぱいになっている現状がある一方、全体を眺めれば、様々な問題があることがわかってきています。

 私も現場寄りの人間なので、どうしてもこのいっぱいいっぱいの状況に目がいっぱいになってしまいますが、それだけでは不十分ということです。

★COVID-19が大学院生(いわゆる無給医)に与える影響
https://note.com/arakin_2019/n/n931d3431969e

★「無給医」も新型コロナ患者治療の前線に 医師不足のため
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200416/k10012389611000.html

 平時より問題であった脆弱な部分が噴き出てくるのも非常時の特徴です。

★変死の11人がコロナ感染
3~4月に5都県、警察庁まとめ
https://this.kiji.is/624907995210302561

 先日私もYahoo!ニュース個人に解剖の問題点を書きましたが、もはや誰が感染者か分からない状態です。

新型コロナウイルス蔓延が引き起こす「死因不明危機」
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20200419-00174073/

★DORA、COVID-19パンデミック下における雇用、昇進、任期の決定に関する大学および研究機関へ向けた声明を発表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11973

★Support early-career researchers for post-pandemic prospects
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01031-2

★How Scientists Can Volunteer to Help Fight COVID-19
https://www.the-scientist.com/news-opinion/how-scientists-can-volunteer-to-help-fight-covid-19-67412

★These cancer scientists turned their lab into a coronavirus-testing facility
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01109-x

★Amid coronavirus shutdowns, some grad students feel pressure to report to their labs
https://www.sciencemag.org/careers/2020/03/amid-coronavirus-shutdowns-some-grad-students-feel-pressured-report-their-labs

★The pandemic and the female academic
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01135-9

★How research funders are tackling coronavirus disruption
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01120-2

★「科学技術に関する国民意識調査(新型コロナウイルスを含む感染症に対する意識)」(速報)の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/44256

感染症対策に要望、「研究開発推進」6割
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58219370X10C20A4TJM000/

 研究自体もコロナに向けたものが多く取り上げられるでしょう。

 そして教育も。

★東大、4000講義遠隔で
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58285830Q0A420C2CR8000/

★大学、急ごしらえオンライン講義 学費の返還求める声も
https://www.asahi.com/articles/ASN4L73DNN4BUTIL01S.html

 オンライン授業が果たして常態化するのか、入試はどうなるのか…。

★奥羽大「県外出たら退学処分に」 教授が学生に感染注意メール
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020041401002552.html

 過剰適応してしまった教授もいるようですが…。

★新型コロナ、未だ手付かずの倫理的課題は? 専門家会議のメンバーが問いかける
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-muto-2

★「まるで犯罪者扱い」 感染者追跡、海外でも広がる波紋
https://www.asahi.com/articles/ASN4M7WG8N4MUHBI00H.html

★不足の防護服代替品に雨がっぱ 大阪市長、市民に提供呼び掛け
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020041401002569.html

★強力な司令塔 コロナ抑制
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58255370Q0A420C2EA2000/

★Crowdsourced Protein Simulation Exceeds Supercomputers’ Power
https://www.the-scientist.com/news-opinion/crowdsourced-protein-simulation-exceeds-supercomputers-power-67423

★Coronavirus diaries: to be a scientist
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01138-6

★‘Short-sighted.’ Health experts decry Trump’s freeze on U.S. funding for WHO as world fights pandemic
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/trump-freezes-us-funding-who-world-fights-pandemic

★'Open the doors for us.' Indonesian scientists say government snubs offers to help fight coronavirus
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/open-doors-us-indonesian-scientists-say-government-snubs-offers-help-fight-coronavirus

★The moment to see the poor
https://science.sciencemag.org/content/368/6488/214.full

★科学未来館館長に浅川氏、来春就任 毛利氏は退任
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/04/20200414_01.html

IBMフェロー  浅川智恵子氏
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58238880Y0A410C2EA4000/

 先週既報。期待します。

★宇宙部隊新設の改正法成立 防衛省無人偵察機
https://www.sankei.com/life/news/200417/lif2004170043-n1.html

★Clarivate Analytics社、「インパクトの高い論文数分析による日本の研究機関ランキング2020年版」を公表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11974

★女性研究者育成へ新制度 名工大「スタートアップ助教
https://www.asahi.com/articles/ASN4G75QJN46OIPE03H.html

★阪大、新技術を文理融合で研究 ELSIセンター設立
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58185810X10C20A4CK8000/

★日本で「博士」になると「高学歴ワーキングプア」が待っている
https://smart-flash.jp/lifemoney/99279

 「高学歴ワーキングプア」という言葉を作った水月昭道さんが来月本を出すそうです。注目です。

新刊『(案)高学歴ワーキングプアからの脱出』のご案内、05月18日刊行予定、光文社新書
https://blog.goo.ne.jp/drikiru/e/25a39d7b9c398867a5b8646aa1d55178

批判と助言とコミットメント

2020年4月7日~2020年4月14日
カセイケン代表 榎木英介

 緊急事態宣言から一週間。

 私が住む神戸もずいぶんひっそりとした感じがありますが、まだ通勤している人も多く、効果の程が分かりません。

 こうしたなか、政府の専門家会議やクラスター班への賛否が議論になっています。

★【緊急提言】日本人が今できる、たった一つのこと
https://newspicks.com/news/4805047/

緊急事態を生きる:新型コロナ 常識通じぬ、長期戦 WHO事務局長上級顧問・渋谷健司さん
https://mainichi.jp/articles/20200414/ddm/012/040/118000c

「東京は手遅れに近い、検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘
https://diamond.jp/articles/-/234205

 キングス・カレッジ・ロンドン教授の渋谷健司氏が積極的に発言しています。ポイントのひとつは検査です。

 検査に関しては、流石に流行期の今、数を増やさないといけないことは概ね一致した意見と思われます。

★医師4473人に聞いた「新型コロナウイルス感染症に対する検査の実施基準」
接触歴あれば無症状でも「PCR検査すべき」64%
84%が症状・肺炎像だけで「全員検査すべき」
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202004/565117.html

 検査を増やすべきという意見は、山中伸弥教授や渋谷氏自身が加わった提言の中でも言われています。

★徹底的なPCR検査を強く求める 山中伸弥教授が5つの提言
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/04/20200408_01.html

★新型コロナ PCR検査充実、著名医師ら提言
https://mainichi.jp/articles/20200409/ddm/012/040/088000c

5人中4人が無症状とも……現役医師が訴える「“三密自粛”だけでは、もう医療崩壊を防げない」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200410-00037134-bunshun-soci

COVID-19対策への緊急提言
https://bunshun.jp/articles/37134

 2ヶ月ほど前には、まだ患者さんが少なく、検査前確率が低いので、検査の効果は限定的だというのが大勢でした。

 蔓延期では検査前確率が高まっているので、検査の効果があるということだと思いますが、初期からもっと検査せよと言っていた方々の間では、最初から検査をやっておけばという声が聞かれます。

 だから言わんこっちゃない、という意見を勝ち誇ったように言うのはどうかと思いますが、蔓延期に向けて検査をやるかやらないかは別にして、できるような体勢にしておくべきだったと言うのはその通りでしょう。

 なんで準備ができていないのでしょうか。

★安倍1強にも医系の「聖域」 検査・薬で厚労省と溝
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57942260Q0A410C2EA2000/

 当初検査を絞ったのは、検査陽性者を症状のいかんに関わらず入院させなければならないと言う事情もあったのでしょう。

 また、私自身は検査部門に近いところで働いているので、臨床検査技師の方々や保健所の方々のマンパワー不足などが検査を増やしたくても増やせないことに関わっているのかと思っていました。

 輸送などの問題も大きいと言う話もありました。

 ただ、それだけでは説明できない部分もあるようです。民間の検査会社の能力がフル活用されていないと言う情報もあります。

 検査がなぜ増やせないか、増えないかについて、政府は包み隠さず情報を出すべきだと思います。でないと陰謀論や不満、不信が増大するばかりです。

 また、最近思っているのは、情報発信などに政府の影があまり見えないことです。

★コロナ禍で専門家や学会が積極的に発信 専門家有志の会が感染者に『あなたは悪くない』
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/04/20200413_02.html

 政府にも関わる専門家を含む有志が、自ら情報発信をしており、西浦博教授はTwitterで盛んに発言しています。

 政府の専門家会議やクラスター班の位置づけが曖昧で、本来の仕事ではない広報、人々への啓蒙等までやっている感じです。

 多分それは個人的義憤や責任感から来ており、「善意」であるのは間違いありません。

「このままでは8割減できない」 「8割おじさん」こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nishiura

 しかし、これは大変危ないことはのではないかと思ってしまいます。

 政策の責任を取るのは政府であり、政治家です。映画シン・ゴジラでは、矢口蘭堂と政治家のキャラクター(長谷川博己)が前面に出ていましたが、今回は本来権限のない西浦教授です。

 行動制限を行うことによる経済や社会の破綻によって、感染症ではない原因で亡くなる方が増えるかもしれません。

★不急の手術延期を提言 「医療従事者の安全最優先」 医学系10団体
https://mainichi.jp/articles/20200408/k00/00m/040/256000c

 私は病理診断を行なっていますが、どの病院でも検体が激減しています。不急を減らすだけならいいですが、必要な手術ができない人が出てくる可能性が高いのではないかと思っています。

★Polio, measles, other diseases set to surge as COVID-19 forces suspension of vaccination
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/polio-measles-other-diseases-set-surge-covid-19-forces-suspension-vaccination-campaigns

Pandemic brings mass vaccinations to a halt
https://science.sciencemag.org/content/368/6487/116.full

★Why measles deaths are surging - and coronavirus could make it worse
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01011-6

 他の疾患の蔓延の可能性もあるわけです。

 新型コロナによる死か、経済、あるいは社会の破綻による死か、どちらを選べと言うような極めて厳しい選択を、あたかも西浦教授やクラスター班、専門家会議が行ったかのようなイメージがついてしまった時、どのようなことが起こるか…。

 専門家が恨みを一手に背負い、テロ行為に遭うことさせ想定されます。考えすぎならば良いのですが…。

 それは本来責任を取るべき政治家にスケーブゴートにされると言うことです。

 こうしたことが起こるのは、科学的助言の体制が不十分だから言えるわけです。

★科学的な助言体制の点検急げ 有本建男氏
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57814990Y0A400C2SHE000/

今回のパンデミックで、わが国は初期対応で政治が先走ったとの見方もあるが、現在ではリスク評価を担う専門家会議の見解を受けて政治が決定する標準的な状態になっているとみている。緊急時対応では、リスク評価とリスク管理の分離が十分でない場合が多い。米国や英国でも想定外の事態に対して助言体制に混乱が見られるが、次第に責任体制が確立しプロセスの情報公開もなされている。

 今の危機的な状況の中で、本来主導的な役割を果たしうるのは科学アカデミーであり、日本の場合は日本学術会議です。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行に係る国際協力の緊急的必要性について G サイエンス学術会議共同声明(仮訳)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-gs2020-1j.pdf

The critical need for international cooperation during COVID-19 Pandemic
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-gs2020-1.pdf

新型コロナウイルス感染症に係るGサイエンス学術会議共同声明の公表に際しての日本学術会議会長談話
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-d6.pdf

 今回の場合、日本学術会議の影はかなり薄いと言わざるを得ません。

 一部から厳しい批判を浴びている西浦教授やクラスター班を見ていると、科学的助言の構造問題を感じざるを得ません。

★President of Europe’s premier science funder resigns amid criticism that he neglected post
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01075-4

Top EU scientist pushed out over coronavirus spat
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/top-eu-scientist-pushed-out-over-coronavirus-spat

European Research Council President Resigns in Protest
https://www.the-scientist.com/news-opinion/european-research-council-president-resigns-67395

 ERCのトップが、新型コロナウイルスの対応が不適切であるなどの理由で辞任に追い込まれました。

 ネット上では今は政府などを批判をすべきではないと言う意見もありますが、批判は重要だと思います。もちろん助言や提言も。

 ただ、提言や批判は空に向かって言うものでもなく、「ほら見たことか」と言うためでもなく、今の危機を打破するために行うものです。

 もちろん、市井の人々がSNS上に意見や不満、時に罵声を言う権利は大切にしなければなりません。

 しかし、大学教員などの地位にある人たちが、安全圏から現実にコミットせず批判するのは残念だと言わざるを得ません。

 私たちは政府や大学とは無関係の独立した市井の人間として、政策や専門家を見つめるために団体を作ったり、フリーランスになったりしました。

 そういう意味で、独立した専門家というのはとても重要だということは知っています。

 ただ、危機の今、能力のある人は渦中の栗を拾って世界を救って欲しいと思います。そうでなくとも、提言や批判が重要だと信じるなら、それを空(サイバースペース)ではなく、しかるべきところに持っていき、実現させる行動を撮ってほしいと切に思います。

★NEWSFLASH:医療従事者、52カ国2万2000人感染
https://mainichi.jp/articles/20200413/dde/001/040/028000c

 医療従事者の感染、そして死が相次いでいます。医師として非常に心が痛み、また危機感を感じます。

 立場を超えて英知を結集する、この状況を救う「ヤシオリ作戦」を行う覚悟を、政府も持って欲しいと思います。専門家を矢面に立たせるのではなく。

★特集ワイド:「コロナの時代の僕ら」出版へ イタリア人作家ジョルダーノさん いま考えること忘れまい 国ではなく全人類の問題
https://mainichi.jp/articles/20200413/dde/012/040/016000c

何を守り、何を捨て、僕らはどう生きていくべきか。『コロナの時代の僕ら』全文公開【終了/著者あとがきのみ継続】
https://www.hayakawabooks.com/n/nb705adaa4e43

 全文公開がされており、読んだ方も多かったと思います。

 この危機に文学、文化、学術の力は非常に重要です。

★要望書書面 「非常勤講師に賃金補償を!」賛同6150名超、感謝。
https://bit.ly/3cdWc7Q

★新型コロナ 緊急事態宣言 文化の喪失懸念 劇作家・平田オリザ氏の話
https://mainichi.jp/articles/20200409/ddm/041/040/059000c

 危機に直面する文化をアフターコロナの時代に残すために何をすべきか…。

★第1回「新型コロナ対策のための全国調査」の結果及び第3回「新型コロナ対策のための全国調査」の実施のお知らせ
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10798.html

★新型コロナ・緊急事態:在宅だけど…ハンコのため出社 日本独特の文化壁 申請書に上司印、契約書に会社印
https://mainichi.jp/articles/20200410/dde/041/040/035000c

 緊急事態とはいえ、休めない人は多く、こんな旧態依然とした慣習のために感染の危機が減らないわけです。

★Taiwan's coronavirus response is among the best globally
https://edition.cnn.com/2020/04/04/asia/taiwan-coronavirus-response-who-intl-hnk/index.html

★‘Suppress and lift’: Hong Kong and Singapore say they have a coronavirus strategy that works
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/suppress-and-lift-hong-kong-and-singapore-say-they-have-coronavirus-strategy-works

★欧米が称賛する韓国コロナ対策 6つの注目点
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57703240W0A400C2000000/

 韓国、台湾、シンガポール、香港の対策が高評価を得ています。小さな国も多いし、各国の事情があるので、単純に参考にはできませんが、良いところは取り入れる柔軟性が必要です。

★Refugees face double coronavirus emergency
https://www.scidev.net/global/migration/news/refugees-face-double-coronavirus-emergency.html

 日本ではあまり深刻ではありませんが、日本の場合ホームレスなどのことを考えなければいけません。

★How I’ve connected with other scientists online during the COVID-19 pandemic
https://www.sciencemag.org/careers/2020/04/how-i-ve-connected-other-scientists-online-during-covid-19-pandemic

★Early-career scientists at critical career junctures brace for impact of COVID-19
https://www.sciencemag.org/careers/2020/04/early-career-scientists-critical-career-junctures-brace-impact-covid-19

★Ten work-life balance tips for researchers based at home during the pandemic
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01059-4

★Support early-career researchers for post-pandemic prospects
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01031-2

★Six ways to juggle science and childcare from home
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01060-x

★Opinion: Lab Work Under Isolation
https://www.the-scientist.com/news-opinion/opinion-lab-work-under-isolation-67398

 研究も大きな影響を受けています。日本でも大学がロックアウトされて研究できないというところも出てきました。

★CRISPR pioneer Doudna opens COVID-19 testing lab
https://www.bionews.org.uk/page_148961

 COVID-19に関わらないと生き残れないということもあるし、また、その能力をCOVID-19対応に回すことで貢献してほしいという思いもあります。

★Study Questions if School Closures Limit the Spread of COVID-19
https://www.the-scientist.com/news-opinion/study-questions-if-school-closures-limit-the-spread-of-covid-19-67390

 学校に行けない子供が何億人もいます。根拠は…

★Protecting older adults during social distancing
https://science.sciencemag.org/content/368/6487/145.1

 以下COVD-19以外。

★我が国の企業の研究費と売上高

  • 科学技術週間(4/13~4/19)にちなんで- (科学技術研究調査の結果から)

http://www.stat.go.jp/data/kagaku/kekka/topics/topics124.html

 科学技術週間であることなど忘れそうでした。

★科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2019)[NISTEP REPORT No.184, 185]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/44176

★長期のインプット・アウトプットマクロデータを用いた日本の大学の論文生産の分析[DISCUSSION PAPER No. 180]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/44181

日本科学未来館 新館長(浅川 智恵子 IBM フェロー)就任予定について
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1424/index.html

★提言
マイクロプラスチックによる水環境汚染の 生態・健康影響研究の必要性とプラスチックの ガバナンス
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t288-1.pdf

 日本学術会議

★Nature to join open-access Plan S, publisher says
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01066-5

★ハゲタカジャーナルで査読を行う研究者たち
https://www.editage.jp/insights/study-reveals-predatory-journals-are-reviewed-majorly-by-junior-researchers

★カリフォルニア大学とPLOSが、若手研究者に恩恵のあるOA協定に合意
https://www.editage.jp/insights/university-of-california-and-plos-sign-open-access-deal-for-early-career-researchers%E2%80%99-benefit

JST、「世界科学フォーラム2019宣言」の和訳を作成・公開
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11946

★岩手の観測所、ブラックホール研究暗転 予算大幅減/退職者補充なし
https://mainichi.jp/articles/20200409/dde/007/040/027000c

ブラックホール撮影から1年…国立天文台水沢観測所が予算半減 本間教授「国際的にも影響」
https://mainichi.jp/articles/20200409/k00/00m/040/048000c

★中国が、研究状況を改善するための新ガイドラインを発表
https://www.editage.jp/insights/china-releases-new-policy-to-improve-the-country%E2%80%99s-research-landscape

★日本における学術研究団体(学会)の現状
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ejgeo/15/1/15_137/_article/-char/ja/

授業消滅、自前で遠隔授業準備〜非常勤講師の悲哀

2020年3月31日~2020年4月7日
カセイケン代表 榎木英介

 刻一刻と状況が変化していますので、週刊メルマガでは追いつきません。

安倍総理は緊急事態宣言の検討状況について会見を行いました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202004/06kaiken.html

新型コロナウイルスについて9:いよいよ本日深夜「緊急事態宣言」発出 〜日本独自のお家芸「じ・し・ゅ・く JISHUKU!」で国を救おう〜
https://note.com/syasukaw/n/n12c26b770a27

 緊急事態宣言はこのメルマガ発行直後に行われます。

西村康稔コロナ担当相が、太平洋戦争末期の大本営みたいなことを言ってる件で : やまもといちろう
https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/13250615.html

 東京を中心に現場が逼迫しています。

新型コロナウイルス感染症対策の調査に関連してLINE株式会社が健康状況等を尋ねる全国調査(第2回)を実施します~多くの方が手洗いやうがい等の予防行動をしている一方で、三密は十分ではなく、テレワークも進んでいない~
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10695.html

 LINEの調査結果。行動変容が叫ばれていますが、JISYUKUしろと言われてもできない問題があります。

★Can you put a price on COVID-19 options? Experts weigh lives versus economics
https://www.sciencemag.org/news/2020/03/modelers-weigh-value-lives-and-lockdown-costs-put-price-covid-19

★「問われているのは『命と経済』ではなく、『命と命』の問題」 医療人類学者が疑問を投げかける新型コロナ対策
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-isono-1

★「コロナは貧しい人から犠牲に」ハーバード大教授が不都合な真実を警告
https://diamond.jp/articles/-/233836

 まさに、感染で亡くなるか、収入が途絶えて死ぬか…。命か経済かは命と命の問題です。

 医師ということもあり、緊急事態宣言が出ても病院には行きますが、休めない人は多いでしょう。

 私も4月からフリーランスの医師になりました。働かなければ収入が途絶えてしまう状態です。講義という仕事もありますが、それは当面無給になってしまいました。

★対面型フリーランス苦境 需要蒸発、補償は使いにくく
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57683250U0A400C2EA5000/

 対面型の仕事は辛いですね…。密接前提ですし…。

 大学の非常勤講師の方々からは、大学の講義の開始が延期されたことにより、厳しい状況に追い込まれているとの情報をいただいています。

★大学の遠隔講義支援
感染対策で10万人に通信機器 文科省、学校通じ貸与
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57686090V00C20A4CC1000/

★オンライン教材、許諾不要前倒し 改正著作権法施行へ
https://mainichi.jp/articles/20200407/ddm/012/010/107000c

★「オンライン授業」のための「最も大切なノウハウ」だけをまとめたスライドを、7日間限定、無償でダウンロードいただけます!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11472

 講義自体が開講しないことが決定したり、例え上記のように、オンラインの講義が推奨されたとしても、その準備のための資材等含め、自前で行わなければならないそうです。

★COVID-19パンデミックで利用者が急増する電話会議アプリ“Zoom”のセキュリティー・プライバシーリスク(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11940

 私もZoomの授業をやる可能性がありますが、Zoomのセキュリティ問題が課題に。通信をどうやってやるかの問題もあります。

★「日本モデル」に踏み込んだ専門家会議「分析・提言」
http://agora-web.jp/archives/2045194.html

★「8割は人にうつさない」は嘘? (1): Nishiura et al (2020) 論文をどう読むか
https://remcat.hatenadiary.jp/entry/20200403/80pct

「8割は人にうつさない」は嘘? (2): 専門家の情報操作
https://remcat.hatenadiary.jp/entry/20200405/info

★牧野淳一郎「3.11以後の科学リテラシーno.89」の印刷前校正原稿
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/Kagaku_202005_Makino_preprint.pdf

 専門家会議に関しては毀誉褒貶と言いますか、強い批判も多くあります。怒っている人もいます。

 クラスター対策と検査の数については、どのような意見を言っても批判されます。

 私の意見としては、クラスター対策とは、犯人を刑事が追うようなもので、数が少ない時に有効だと思っていますが、現在のように数が多くなるととても追いきれないので別の対応が必要だと思っています。

 犯人が少なければ刑事、犯人が多ければ機動隊導入みたいなものでしょうか。

 検査も今の段階では大規模に行わないと間に合いません。

★システム思考でみる新型コロナウィルス感染症 ~ 政府・専門家会議が検査を増やすことができなかった「理由」と、今なすべきこと
https://note.com/amacrinecell/n/ne66f7a9d001e?fbclid=IwAR38t8y32TNRCeqy9qyd4jjEVL3LgTCbHLNMmxA3dL2PUz0Wtn9YCt1BZ1k

新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会
https://note.stopcovid19.jp/

 こうした情報発信がようやくなされてきましたが、Twitterなどではこれはいくらなんでも、というツイートもあったり、まだこなれていないようです。

 「エリートパニック」を起こしているのではないかという指摘もあります。無秩序な大衆が病院に殺到すると思ってパニックに陥っているというのです。

 どうもそれはあるななとは思います。2ヶ月ほど前の感度特異度の論争もそうですが、医師はどうも欠如モデル的、大衆は劣っているので正しい情報を流せば良いという態度を示してしまうことが多いように思います。

 それは医師があまり多様性のない集団から出てきているというのもありますが、救急外来などで騒ぎ出すウォークインの患者さんという厳しい場面に直面した経験もあるのかなと思ったりします。

 それはともかく、今回のCOVID-19の感染拡大においても、コミュニケーション、情報の発信の仕方がうまくいっているとは言えません。

新型コロナウイルスについて一緒に考えよう
https://www.smips.jp/KMS/2020/04/02/stop_corona_20200402/

 子供向けコンテンツ。

新型コロナウイルス感染を乗り越えるための説明書
https://drive.google.com/file/d/1f4v5DsQ4fb_2ujwuTlC4e_wMZ8lh1gM7/view

 わかりやすいコンテンツ。

新型コロナウイルスから子どもの心を守る。WHOから世界中の保護者たちへ。
https://covid-19-act.jp/parenting-who/

★「コロナ後」の世界は来るか?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/04/post-93021_1.php

★Coronavirus ‘could devastate’ indigenous communities
https://www.scidev.net/global/coronavirus/news/coronavirus-could-devastate-indigenous-communities.html

HIV Researcher Gita Ramjee Dies of Complications Tied to COVID-19
https://www.the-scientist.com/news-opinion/hiv-researcher-gita-ramjee-dies-67365

★Lockdown in Italy: personal stories of doing science during the COVID-19 quarantine
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01001-8

★My lab is closed to me because of the coronavirus. Here’s how I’m planning to stay productive
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00986-6

★Cull, release or bring them home: Coronavirus crisis forces hard decisions for labs with animals
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00964-y

 先週に引き続き研究者たちの苦悩の記事です。

★How a Crispr Lab Became a Pop-Up Covid Testing Center
https://www.wired.com/story/crispr-lab-turned-pop-up-covid-testing-center/

 自費で検査するという方向転換した研究室も。

★‘Every day is a new surprise.’ Inside the effort to produce the world’s most popular coronavirus tracker
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/every-day-new-surprise-inside-effort-produce-world-s-most-popular-coronavirus-tracker

 ジョンズホプキンス大の感染地図
https://coronavirus.jhu.edu/map.html

 の中の人のインタビュー。

★You may be able to spread coronavirus just by breathing, new report finds
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/you-may-be-able-spread-coronavirus-just-breathing-new-report-finds

 ここ数日マスクの感染防止効果がホットトピックになっています。しかし不足しています。

 少なくとも医療現場にはマスクとガウンを最優先に配布されないと危ないです。

★United States wants to end most payouts for leading vaccination-related injury
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/us-wants-end-most-payouts-leading-vaccination-related-injury

 どさくさに紛れて…。

★「表現の自由」のための自律――緊急事態宣言と「集会の自由」
志田陽子 / 憲法・言論法
https://synodos.jp/politics/23451

 COVID-19以外の記事。

★大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ > 第4回配布資料
http://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/kentokai4kai.html

富士山噴火3時間で首都機能停止
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200331/1000046484.html

富士山大噴火で1都3県停電 中央防災会議想定、政府は対策検討へ
https://www.sankei.com/affairs/news/200331/afr2003310008-n1.html

★令和元年度第10回富士山火山防災対策協議会(令和2年3月30日:文書開催)
http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/e-quakes/shiraberu/higai/fujisan/index.html

資料2(議題3)富士山ハザードマップ改訂に関する中間報告(PDF:9,512KB)
http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/e-quakes/shiraberu/higai/fujisan/documents/03_no10_shiryou2_hm-tyukanhoukoku.pdf

富士山ハザードマップ改定 中間報告 溶岩・火砕流到達距離長く
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57397970Q0A330C2L61000/

富士山ハザードマップ改定へ 溶岩・火砕流の距離長く
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57397970Q0A330C2L61000/

 今はCOVID-19の問題で頭がいっぱいですが、この状態で他の災害が加わったら…。しかし考えておかねばなりません。

★多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(ALPS小委員会)説明・公聴会でいただいた御意見への回答を公表します
https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200403007/20200403007.html

国際原子力機関(IAEA)による『東京電力福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水管理の進捗状況及び多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書に係るフォローアップレビュー報告書』を公表します
https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200402002/20200402002.html

安倍総理は第37回未来投資会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202004/03miraitoushi.html

未来投資会議(第37回) 配布資料
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai37/index.html

 ここでもCOVID-19問題が。

★Munich’s Oktoberfest is a real gas
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00987-5

 なんとオクトーバーフェストがメタン排出源と。

★宇宙で戦えない日本 先頭集団から脱落の危機
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57435630R30C20A3I00000/

★宇宙分野における知財対策と支援の方向性について報告書を取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200331018/20200331018.html

特許庁ステータスレポート2020を取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200331014/20200331014.html

★Female scientists allege discrimination, neglect of research on women at NIH’s child health institute
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/female-scientists-allege-discrimination-neglect-research-women-nih-s-child-health

How women at NIH’s research hospital lost chances at childbearing
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/how-women-nih-s-research-hospital-lost-chances-childbearing

★NIH’s process for removing reviewers remains a mystery, watchdog finds
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/nih-s-process-removing-reviewers-remains-mystery-watchdog-finds

 NIHの問題。

★教職員に対する懲戒処分について(2020年3月31日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/soumu/jinji/news/2019/200331_1.html

京大iPS研職員を懲戒解雇 機密書類スキャン
https://www.sankei.com/smp/west/news/200331/wst2003310041-s1.html

京大、iPS研職員を懲戒解雇 盗撮や機密書類持ち出し
https://www.asahi.com/articles/ASN306J10N30PLBJ003.html

★京大霊長類研の教授ら4人 5億円余を不正支出 大学が報告書
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200402/k10012365331000.html

 京大関係の事件2つ。

★White House science adviser Kelvin Droegemeier will also lead NSF-for now
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/white-house-science-adviser-kelvin-droegemeier-will-also-lead-nsf-now

★I f you have to ask EPA for data, are they really public? Agency critics say no
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/if-you-have-ask-epa-data-it-really-public-agency-critics-say-no

★来年の女性史月間こそは、是非とも女性研究者たちの全ての功績に目を向けたい。
We need more researchers in Women’s History Month
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00925-5

★医療現場、女性が働きやすい環境か 不適切入試の教訓
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO57200660V20C20A3000000/

日本学士院賞授賞の決定について
https://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2020/040601.html