科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

COVID-19と人権、EuroScience会長語る

2020年3月3日~2020年3月10日
カセイケン代表 榎木英介

 瀬戸際とされた二週間が過ぎ、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が見解を出しました。

新型コロナウイルス感染症対策の見解(3月9日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の見解」
2020年3月9日
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000606000.pdf

2月 24 日に公表した専門家会議の見解において、我々は、「これから1-2週間が急速な拡大に 進むか、収束できるかの瀬戸際となります」と述べましたが、以上の状況を踏まえると、本日時点 での日本の状況は、爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度、持ちこたえているのではない かと考えます。

 とはいえ、これからも感染拡大は続くとしています。

今回、国内での流行をいったん抑制できたとしても、しばらくは、いつ再流行し てもおかしくない状況が続くと見込まれます。また、世界的な流行が進展していることから、国外 から感染が持ち込まれる事例も、今後、繰り返されるものと予想されます。

 まだまだクライシスの渦中にあると言える状態です。

 こうしたなか、専門家の役割が問われています。

★新型コロナ「ハッピーバースデー2回歌う間に手を洗おう」と呼びかけた英首相の科学力とコミュ力
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200304-00165964/

 科学アドバイザーがいる英国では、首相もアドバイザーに従っているようです。

 日本では、外務省に科学技術顧問がいます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/dns/isc/index.html

 また、厚労省にも次官級ポストとして医務技監がいます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E5%8B%99%E6%8A%80%E7%9B%A3

 しかしながら、あまり表には出てきていません。厚労省にしても、加藤大臣が会見を続けています。

新型コロナウイルス対策で専門家の顔が見えない日本
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020030600005.html

 大阪府は独自に専門家会議を設けるようです。

大阪府が「専門家対策会議」独自に設置へ 感染者の入院基準など協議
https://mainichi.jp/articles/20200309/k00/00m/040/187000c

日本学術会議幹事会声明「新型コロナウイルス感染症対策に関するみなさまへのお願いと、今後の日本学術会議の対応」
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-kanji-5.pdf

第二部大規模感染症予防・制圧体制検討分科会
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/2bu/pdf/2kansensyou-setti24.pdf

 日本学術会議が検討分科会を作って動き出しました。科学者の国会の助言などが、
政策に生きるのか、生かす気があるのか…。

 専門家とは誰か、という問題も問われるところです。

 私は普段ワイドショーなどは見ないですが、視聴率をあげている番組に出ている医師や研究者は、公衆衛生学の専門家ではありません。

 病理医としてテレビやラジオに出演した私も、感染症や公衆衛生学を専門とはしていません。なるべく身の程をわきまえた発言はしたつもりですが(あくまで医師の働き方や病理学の視点から発言はしましたが)、視聴者からみれば、専門性があるように見えていたかも知れません。

 専門家以外は発言するなというつもりはありません。テレビに出ている方々はコミュニケーターとして長けているのだと思います。

 とはいえ、伝え聞くところによると、陰謀論や、公衆衛生学の基本から逸脱したお話をされているようでもあり、むずかしいところです。

 クライシスにおけるコミュニケーションにおいて、ワイドショーが10%程度の視聴率
すなわち1000万人前後の人々に情報を伝えていると考えると、Twitterのフォロアーが数万から数十万の医師では対抗できない可能性が高いように思います。

 言論の自由はあるわけで、一律に報道を禁止するというのは、言論弾圧になってしまいます。ならば、政府も含め、医療の専門家が情報を分かりやすく、そして包み隠さず発信していかなければなりません。

感染症アウトブレイクによる危機と緊急事態におけるリスクコミュニケーション
http://mediadoctor.jp/menu/InfectiousDiseaseOutbreak.html

 信頼を得る、共感を示す、敬意を示すといった点がどうも不十分のように思います。

★『コロナウイルス:最前線で人権を尊重し、対策の中心に据える必要がある』 国連人権高等弁務官
http://miyatak.hatenablog.com/entry/2020/03/09/123402

 そして人権の尊重が重要になります。

 いま打撃を受けている人たちは、「医療の面からも経済面からも、最も弱い立場にある人たち、社会的に無視されがちな人たち」、「低所得者、孤立した地方の住民、基礎疾患を抱える人、障害者、一人暮らしの高齢者、施設入居者など」です。

 「経済的にかろうじて生活を維持している人たちは、ウイルス封じ込め対策の影響でがけから突き落とされるような状態に追い込まれてしまいます。各国政府はコロナウイルス対策による意図せざる影響に対しても、様々な対応策を用意しておく必要があります。従業員への柔軟な対応も含めビジネス分野の役割も大切です」とバチェレは語る。

新型コロナウイルスに関連した感染症対策への対応に関する緊急声明 『子どもたちが「外で遊ぶ権利」を最大限保障してください』
http://www.jsfee.jp/general/403

★「演奏できず、収入ゼロ」新型コロナでフリーランス悲鳴
https://www.asahi.com/articles/ASN34772LN34ULFA034.html

 フリーランスは平時から社会保障等含め弱い立場に置かれることが多いと言えます。来月からフリーランス的な働き方をする私にとってもひとごとではありません。

★新型コロナ フリーに補償4100円 緊急対策第2弾、きょう政府公表
https://mainichi.jp/articles/20200310/ddm/002/040/077000c

 政府は対策を発表するようです。

 私が気になっているのが、非常勤講師で生計を立てている方々です。いまは大学は春休みに入っていると思いますが、たとえば早稲田大学が4月20日まで授業を行わないことを決定するなど、新型コロナウイルスの蔓延が続けば、非常に苦しい立場におかれる可能性があります。

2020年度授業開始日程変更について
http://www.waseda.jp/top/news/68611

 クライシスは平時の問題を増幅します。非常勤講師の方々も含め、対策をしっかりと考えておかなければなりません。

★休校中の学習支援の取り組み広がる 文科省の『子供の学び応援サイト』など多数
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/03/20200306_01.html

子供の科学特設サイト
https://www.kodomonokagaku.com/20200305/

サイエンスチャンネルから子ども向けコンテンツを集めた「サイエンスチャンネル キッズ!」を公開しました。
https://sciencechannel.jst.go.jp/kids/

家で過ごす子供たちに「星空」をライブ配信
https://www.yomiuri.co.jp/science/20200309-OYT1T50171/

今こそ科学を楽しもう!サイエンスウィンドウ for KIDS
https://sciencewindow.jst.go.jp/kids/

日本学術会議若手アカデミーの本棚
https://booklog.jp/users/youngacademy-jpn

 大変素晴らしいことなのですが、こうしたコンテンツに容易にアクセスできるのは、社会的に上位の階層に属する子どもたちと思われます。

 学校の休みが格差をさらに増大させてしまうことへの意識は持っていなければなりません。

新型コロナウイルス感染機構とACE2
https://aasj.jp/news/lifescience-easily/12537

 Cellにでた論文を西川伸一氏が解説しています。メカニズムが分かれば突破口があります。

 ただ、「面白い」という率直な感想は、研究者なら感じるところですが、それを正直に書いてしまうところが、研究者のナイーブさと言いますか、ちょっと気になりました。

GitHub上に公開された「東京都公式 新型コロナウイルス対策サイト」は危機が生んだ日本の奇跡
https://oreno-yuigon.hatenablog.com/entry/2020/03/04/224301

「マジで胸アツ」台湾の天才IT大臣、東京都の新型コロナ対策サイトの修正に自ら参加し話題に
https://www.buzzfeed.com/jp/harunayamazaki/audrey-tokyo-covid19

 台湾の大臣はいま大注目の存在です。

★台湾の「38歳」デジタル大臣から見た日本の弱点
「まだ多くを学ぶ必要があるが遅れている点も」
https://toyokeizai.net/articles/-/327954

 こうした才能を生かす可能性が日本社会にもまだあるでしょうか。

★高校の文・理コース分け 労働生産性低迷の要因に
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56523740X00C20A3CK8000/

数学を学ばぬ高校生 日本の労働生産性低迷の要因に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56486740W0A300C2CK8000/

 こうした才能を持った人は放っておいても出てくると思いますが、一般の人たちもある程度の知識と技能がなければ、高度知識社会はつくれません。

★iPS研究予算カット問題に潜む安倍政権の意思決定の危うさ
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20200306/pol/00m/010/005000c

 新型コロナウイルスへの対策含め、政権の意思決定方法が問われていると言えます。

★国民の皆様へ(東日本大震災九周年に当たって)
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/discourse/20200306danwa.html

 東日本大震災九周年追悼式が中止に。まだ風化するには早いです。この9年間をしっかりと振り返り、教訓を得なければなりません。

 いま直面する新型コロナウイルスに対する政府の対応は、9年前の教訓を使っているのでしょうか。

イノベーション明記 科学技術基本法改正へ
https://mainichi.jp/articles/20200304/ddm/012/040/108000c

★「博士課程教育リーディングプログラム」(平成25年度採択プログラム)事後評価結果について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/hakushikatei/1414007_00001.htm

★令和2年度の戦略目標及び研究開発目標の決定について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2020/mext_00147.html

★強毒ヒアリが春に活発化── 水際で防げるか、専門家ら挑む「決戦」
https://news.yahoo.co.jp/feature/1583

 春が近づいてきました。ヒアリ封じ込めへこちらも正念場です。

★「宇宙分野における知財対策と支援の方向性 報告書(案)」に対する意見募集について(令和2年3月23日(月) 23時59分まで)
https://www8.cao.go.jp/space/public_comment/chizai_taisk_shien/chizai.html

★ 「私たちは、研究者や研究機関や政策立案者に指示を出しているわけではありません」
http://bit.ly/335jrNX

 日本にもAAAS(全米科学振興協会)のような組織を、という声が大きいですが、学ぶべきはAAASをモデルに1990年代にできたEuroScienceかも知れません。

伊達市民の被曝解析データを前規制委員長へ提供〜宮崎早野論文
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2475#OurPlanetTV

 倫理的に大きな問題です。

★韓国人受験生を全員不合格 加計学園獣医学部に「不正入試」疑惑
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200304-00036425-bunshun-soci

文科相、岡山理科大に確認要請 不正入試報道で
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56440480V00C20A3CR8000/

 不透明な点数操作は許されることではありません。

★受験料返還義務認める 東京医大入試不正で東京地裁
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56466430W0A300C2CR0000/

 東京医大に判決。

★筑波大、防衛省助成に応募 「軍事研究しない」方針は?
https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/202003/CK2020030202000130.html

茨城)防衛省の助成、筑波大の研究を採択 学内に反対も
https://www.asahi.com/articles/ASN3864PFN36UJHB002.html

★Learning to deal with dual use
https://science.sciencemag.org/content/367/6482/1057

★中国に「論文工場」? 実験せず量産、医師購入か
https://www.asahi.com/articles/ASN377FFKN33ULBJ00F.html

★UC Santa Cruz Fires Graduate Students Taking Part in Strike
https://www.the-scientist.com/news-opinion/uc-santa-cruz-fires-graduate-students-taking-part-in-strike-67207

★CRISPR treatment inserted directly into the body for first time
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00655-8

CRISPR Used Inside a Person’s Body for the First Time Ever
https://nerdist.com/article/crispr-used-inside-a-persons-body-for-the-first-time-ever/

First Patient Receives In Vivo CRISPR Editing
https://www.the-scientist.com/news-opinion/first-patient-receives-in-vivo-crispr-editing-67222

In its first use inside the human body, CRISPR genome editing tested as blindness therapy
https://www.statnews.com/2020/03/04/crispr-first-use-inside-human-body-blindness-therapy/

 人体でゲノム編集が行われました。

★研究開発戦略ローンチアウト「米国における科学技術人材について」
https://scienceportal.jst.go.jp/reports/launchout/20200309_01.html

★Pentagon's social science research faces threat
https://science.sciencemag.org/content/367/6482/1065.full

★博士、高校で先生の道 公立高の教員採用試験、特別選考広がる
https://www.asahi.com/articles/DA3S14394847.html

 私たちも長年注目しているキャリアパスです。

★名大 女性増員未達成で予算減へ
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20200308/3000009383.html

 残念なニュースです。

COVID-19が引き起こす分断

2020年2月25日~2020年3月3日
カセイケン代表 榎木英介

 今週も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)一色といった感じでした。

★Responding to Covid-19 - A Once-in-a-Century Pandemic?
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2003762

 ビルゲイツ氏。

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
新型コロナウイルス感染症対策の見解」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html

 次第に「敵」の姿が見えてきているようで、この危機を乗り越えられる可能性も見えてきました。

 感染拡大が先行した中国から学べることが多いと思います。

★WHOコロナウイルス報告書の本文の日本語訳
https://www.shiminkagaku.org/9753-2/?fbclid=IwAR2CGqkZ11EVj_u1GrlxEEls9G6UFdCRPEbYpR4Yn0XtjVsOtQv1yGKjDus

★【新型コロナウイルス肺炎】深センで実施された対策とその効果:時系列グラフで見えてきたシンプルな解決策!
https://www.shenzhen-fan.com/2020-02-27-covid-19-shenzhen-infographics/

医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第2版
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.pdf

★新型コロナ感染拡大 医療崩壊させないために私たちにできること
https://telling.asahi.com/article/13173137

★専門家会議メンバーが明かす、新型コロナの「正体」と今後のシナリオ
https://news.yahoo.co.jp/feature/1582

新型コロナウイルス感染症 市民向け感染予防ハンドブック [第1版]
http://bit.ly/2IcwXWx

★Coronavirus fears cancel world’s biggest physics meeting
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00609-0

Coronavirus just caused the American Physical Society to cancel its biggest meeting of the year
https://www.sciencemag.org/news/2020/03/coronavirus-just-caused-american-physical-society-cancel-its-biggest-meeting-year

 巨大学会が直前中止という衝撃もありました。

★【緊急】政府がイベント中止・延期要請をした今、私たちができること:誰も犠牲にならない五方よしのアイディア
https://note.com/masatotahara/n/n6433198e1ecb

 様々なミーティングが中止になっている中、したたかに動こうとする人々がいます。心強いです。

 安倍首相は全国の小中高に休校を要請しました。

令和2年2月27日 新型コロナウイルス感染症対策本部(第15回)
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202002/27corona.html

政府といたしましては、何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え、多くの子どもたちや教職員が、日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える観点から、全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、来週3月2日から春休みまで、臨時休業を行うよう要請します。

 これを受けて各地では混乱が広がり、子供を預けて働いている人が多い職場や、休業をしてしまうと収入が途絶える家庭にとっては非常に厳しい状況となっています。

 安倍首相は記者会見を開き、自らの口でこの要請に至った経緯を説明しました。

令和2年2月29日 安倍内閣総理大臣記者会見
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0229kaiken.html

 しかし、行動範囲が狭い子供たちが集まる学校を休校することの効果など、根拠が示されず、また、何を目標とした休校なのかも語られず(感染の拡大を防ぐのは分かりますが、曖昧な言葉ではなく、たとえば感染のピークを医療機関のキャパシティ内に抑えるといった目標が分かりませんでした)、首相の要請に異論が多く出ている状況です。

★一斉休校は「科学より政治」の悪い例 クルーズ船対応の失敗を告発した岩田教授に聞く
https://mainichi.jp/articles/20200229/k00/00m/040/192000c

 専門家会議や一部では関与が疑われた日本医師会も、全国一律の休校は要請していないという状況があります。

 専門家の間でも、ある程度効果があるのではないかという意見もあり、根拠を示すべきでした。

 いずれにせよ、クライシスにおける情報の透明性は重視されるところですが、その辺りに不安があります。

★休校中の子供たちにぜひ見て欲しい
科学技術の面白デジタルコンテンツ
各研究機関の広報担当者がセレクトしました
https://sites.google.com/view/jacst-for-kids/home

★臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト(子供の学び応援サイト)
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/index_00001.htm

 休校を支援しようという動きも多数出てきており、これも注目すべき動きだと思います。エデュテックを流行らせるための陰謀だ、というのは言い過ぎのように思います。

 ここに来て、分断が激しさを増し、罵り合いのような状態になっています。その分断とは、PCR検査が必要かそうでないかという分断、疫学が理解できるかできないかの分断などです。

 医師としては、PCR検査に限界があることは理解していますし、PCR検査陰性はウイルスに感染していないことの証明にはなりません。

 しかし、医師や専門家側の「全例PCRしろと叫ぶ無知な大衆」というステレオタイプ、レッテル貼りや、市民側の「何かを隠しているのではないか」という疑心暗鬼など、コミュニケーションの分断が起きているように思います。

 医療関係者でない知人からも、PCR検査を全例にしろとは言っていない、必要な場合にもできない現状を問題視しているのだと言われたりします。状況を理解している人も多いのです。

 この分断を引き起こしたのは、第一にクライシスにおける情報の透明性の不足です。

 そして、それが引き起こす市民の不安、不安を持つ人々を理解できない(あるいはしようとしない)専門家などが、分断を増幅しています。

★新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの?  感染管理の専門家に聞きました
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-sakamoto

新型肺炎「日本は感染症と公衆衛生のリテラシーを高めよう」免疫学の大家がPCR論争に苦言
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200228-00165104/

★検査と差別:「検査陰性」は人々の不安を減らすのか(特別寄稿)
http://agora-web.jp/archives/2044569.html

新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査に関する報道の事実誤認について
https://www.niid.go.jp/niid/ja/cholerae-m/560-idsc/9441-covid14-15.html

★文理の分断を超えて:何も言っていない、言葉のようなもの
https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/74995/86dfbcd69c8d7dec329d2d2835d3e6d9

★「コロナウイルスPCR検査に関して、科学的に妥当なものの見方ができる人たちと不安の強い人たちとの分断について」medtoolz先生の久々のツイート
https://togetter.com/li/1473856

★(論壇時評)新型肺炎 専門知と市民感情の調停を ジャーナリスト・津田大介
https://www.asahi.com/articles/DA3S14380959.html

 一部で陰謀論さえ囁かれるPCR検査とて、運送業者が輸送を拒んでいるといった複数の要因があるわけですが、そうした情報もあまり人々の耳に入るようになっていない可能性があります。

★人手不足で検査1日900件 想定の4分の1、検体搬送も課題
https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2020022702000059.html

 おそらく陰謀論は、先進国たる日本でどうしてPCR検査すら十分にできないのか、といった、自国への過信から来ているように思います。

 残念ながら日本は、基礎研究含め公衆衛生学等にヒト、モノ、カネ、制度等を十分投じてこなかった結果がここにあるわけで、誰かを悪者にしたところで解決策があるわけではありません。

 しかし、自分がかかっている病がなんであるのか分からない、はっきりさせたいという不安は、無知だと切り捨てるわけにはいきません。

 解決策は難しいですが、パニックを起こすからという理由で隠すのではなく、もう少し人々を信用して、マイナス面も含めた情報を公開していくことが重要です。

 また、専門家同士も、自説や対面に拘るあまり柔軟性を欠いてはいけません。頑張っているのだから批判をするなというのもおかしな話です。批判を建設的に捉えて、よりよい方向に向かっていかなければいけません。 

 まだクライシスの途上です。批判は重要ですが、無知を罵ったり陰謀論を唱えることは何の解決にもなりません。

★[FT]米の新型コロナ対策、副大統領の起用が裏目
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56171780Y0A220C2000000/

Government’s Mixed Messages on Coronavirus Are Dangerous: Experts
https://www.the-scientist.com/news-opinion/governments-mixed-messages-on-coronavirus-are-dangerous-experts-67202

 日本が理想とするCDCですが、アメリカでさえ、トランプ政権に翻弄されるなど、難しい対応を迫られています。形だけ真似てもダメと言うことです。

★総合科学技術・イノベーション会議(第49回)議事次第
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui049/haihu-049.html

議事

1.特定国立研究開発法人(産業技術総合研究所)の次期中長期目標(案)に対する総合科学技術・イノベーション会議の意見について

★ハワイに計画の世界最大級望遠鏡 予算計上せず 住民反対で中断
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200229/k10012307311000.html

★基礎研究医養成活性化プログラムの中間評価結果について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1385091_00001.htm

就職氷河期世代を対象とした教職に関するリカレント教育プログラム事業の公募について
https://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/mext_00033.html

氷河期世代5人採用内定、内閣府 国家公務員で初めて
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200228-00000077-kyodonews-bus_all

★東大が一度も超えられない「女子2割の壁」 その背景は
https://www.asahi.com/articles/ASN2X4V2QN2NUTIL047.html

重力波望遠鏡「KAGRA」が観測を開始 9年かけ完成
https://www.asahi.com/articles/ASN2T635ZN2TULBJ01M.html

重力波観測装置「かぐら」アジア初の本格観測を開始
https://www.yomiuri.co.jp/science/20200225-OYT1T50212/

かぐら観測開始「ようやく始まった」 喜びに沸く制御室
https://www.sankei.com/life/news/200225/lif2002250066-n1.html

米欧に遅れた重力波観測…日本は存在感示せるか かぐら稼働
https://www.sankei.com/life/news/200225/lif2002250057-n1.html

★日本の科学力強化へ 曲がり角の「マスタープラン」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56062660W0A220C2000000/

 分野間の奪い合いになっていないかという指摘。

★China bans cash rewards for publishing papers
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00574-8

 金銭的な報酬はマイナスであるとのことです。

★Words matter: jargon alienates readers
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00580-w

 ジャーゴンが人々を置き去りにするという指摘。

★In praise of replication studies and null results
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00530-6

★Invest 5% of research funds in ensuring data are reusable
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00505-7

★Unlock ways to share data on peer review
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00454-1

★Missing clinical trial data must be made public, federal judge says
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/missing-clinical-trial-data-must-be-made-public-federal-judge-says

 治験はうまくいかなくても報告せよと。

★安易な業績評価が生む、もう一つの研究不正
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020022200002.html

★MeTooSTEM organization reeling after more resignations
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/metoostem-organization-reeling-after-more-resignations

More Resignations at MeTooSTEM
https://www.the-scientist.com/news-opinion/more-resignations-at-metoostem-67179

 MeTooSTEM内でのハラスメント。

★A single ‘paper mill’ appears to have churned out 400 papers, sleuths find
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/single-paper-mill-appears-have-churned-out-400-papers-sleuths-find

★Freeman Dyson, Math Genius Turned Visionary Technologist, Dies at 96
https://www.nytimes.com/2020/02/28/science/freeman-dyson-dead.html

 ご冥福をお祈りします。

COVID-19瀬戸際、ポスドクの流儀

2020年2月18日~2020年2月25日

カセイケン代表 榎木英介

 WHOはまだパンデミックを宣言はしていませんが、いよいよ新型コロナウイルスSARS-CoV2による感染症COVID-19が市中感染症となり、いかに医療資源を重症者に配分できるかが焦点となってきました。

★「今後1~2週間が瀬戸際」国の専門家会議が見解【全文】
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/view/

新型コロナウイルスに我々はどう対峙すべきなのか(No.4)
想像する力を武器に
https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_217.html

 このメルマガを発行する今日、政府は対策を発表します。

 政府は症状がある人は積極的に休めと言っていますが、そう簡単に休めないというのが多くの人々の実感だと思います。

どんどん休めと言われても〜休めないニッポンにつけ込むCOVID-19(新型コロナ)
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20200220-00163814/

 Yahoo!ニュース個人に私が書いた記事です。休むというだけでは不十分で、政府がある程度トップダウンで基準を示すなりなんなりしないと、感染拡大のピークを低くすることはできないと思います。

 私はこのニュースを見た深層NEWS(BS日テレhttps://www.bs4.jp/shinsou/ から出演依頼を受けて、番組に出演させていただきました。

 カセイケン代表というよりは、全国医師連盟理事としての立場で出ましたが、労働者や受験生、学生含め安心して休めるようにするにはどうすれば良いか考えなければなりません。

★苦肉の策で「ギリギリの法解釈」重ねる政府 今後の法整備が課題 新型肺炎
https://mainichi.jp/articles/20200224/k00/00m/010/150000c

 番組の中でも指摘がありましたが、憲法や様々な法律に抵触してしまうので、集会やその他の制限を政府が一律にかけるわけにはいかない現実はあります。

 しかし、明確な帰順を示さず現場に対応を任せて良いのかという感じもしています。

労働者の補償Q&A 新型肺炎、入院治療は公費 自主欠勤、休業手当出ず
https://mainichi.jp/articles/20200225/ddm/041/040/088000c

 これではちょっとぐらいの症状では、休めと言われて簡単に休めるはずがありません。

厚労省新型コロナQ&Aの疑問~37.5度の発熱は出社すべきなのか?~
https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20200225-00164471/

コロナウィルスに伴う労務管理上の留意点まとめ(企業向け)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20200225-00164465/

新型コロナでひろがる出勤停止  知っておきたい「休業時の生活保障」の知識
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20200223-00164282/

症状があるのに出勤を求められたらどうする? 多様なコロナ問題と法的「対処法」
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20200220-00163805/

 会社員等がどうすれば良いのか、上記サイトなどでよく学ばなければなりませんが、政府が推奨しているフリーランスの方々はどうすべきか、非常に難しい問題です。

新型肺炎 感染者入試、大学対応割れ 東大・阪大など受験させず
https://mainichi.jp/articles/20200219/ddm/001/040/112000c

国公立大入試、感染者対応分かれる 東大、阪大など受験認めず センター試験で判定の大学も
https://mainichi.jp/articles/20200218/k00/00m/040/203000c

「無理して受験、感染拡大の恐れ」新型コロナで揺れる国公立大 2次試験対応で判断迫られ
https://mainichi.jp/articles/20200218/k00/00m/040/329000c

 私自身、30年前の大学入試のとき、39度の発熱がありながら無理やり受験をした経験があります。受験生は無理やり症状を下げてでも受験するでしょう。

★‘The disruption is enormous.’ Coronavirus epidemic snarls science worldwide
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/disruption-enormous-coronavirus-epidemic-snarls-science-worldwide

Coronavirus epidemic snarls science worldwide
https://science.sciencemag.org/content/367/6480/836.full

 COVID-19は研究にも影響を与え始め、様々な会議が中止されています。

★「新型コロナ患者を診たら学会参加を自粛せよ」は適切か
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202002/564482.html

 今最も信頼おける感染症の専門医、忽那先生の記事。

★Key planning recommendations for mass gatherings in the context of the current COVID-19 outbreak: interim guidance, 14 February 2020
https://apps.who.int/iris/handle/10665/331004

 忽那先生が引用するように、CDCはどのような集会を中止等すべきかガイドラインを出しています。

 個々の判断に任せざるを得ないとは思いますが、ガイドラインの存在は大きな目安です。

 ああ、日本版CDCがあれば、という声が聞こえてきます。

★検証:「独断」医療政策に反発 現場「プロセス不透明」
https://mainichi.jp/articles/20200225/ddm/012/010/053000c

官邸主導トップダウンできしみ 内閣官房健康・医療戦略室 vs 医療研究現場
https://mainichi.jp/articles/20200220/k00/00m/040/014000c

 しかし、日本版NIHとして作られたAMEDが自律を失っていると言われる中、CDCを形だけ真似ても結局骨抜きにされてしまうように思います。

 テレビでも最後にその旨の発言をしましたが、NIHやAMEDも一般的に知られた言葉でなかったので、もうちょっと説明が必要でした。

★Scientist decries ‘completely chaotic’ conditions on cruise ship Japan quarantined after viral outbreak
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/scientist-decries-completely-chaotic-conditions-cruise-ship-japan-quarantined-after

 先週は神戸大の岩田健太郎教授のYouTubeへの投稿が日本、そして世界に衝撃を与えました。

 批判を恐れぬ忖度しない態度は、「岩田ファン」として数々の著書を読んできた私にとっては、とても岩田先生らしいなと思ったわけですが(それゆえ昔からアンチ岩田が多いわけですが)、賛否両論入り乱れ、場外乱闘気味になりました。

 当の岩田先生は全く変わっておらず、この守備一貫性はすごいなと思います。

 ともかく、この一件は、政策に研究者がどのように影響を与えるのか、という観点からも色々考えさせられるものでした。

 中に入って調整を重ねる、地道にロビイングするという方法か、SNS時代の特性をうまく利用して、意見を拡散し、外側から圧力をかけるのか。

 CDCやNIHの日本版、そしていまだ形すら見えない研究公正局の日本版を、という声がある中一向に実現しないところを見ると、両方の手段を使い分けることが重要なのかなと思わせられました。

新型コロナウイルス感染症対応に従事する医療関係者への不当な批判に対する声明 日本災害医学
https://jadm.or.jp/sys/_data/info/pdf/pdf000121_1.pdf

新型肺炎 医師ら「バイ菌」扱い クルーズ船対応、職場で「いじめ」 災害医学会、強く抗議
https://mainichi.jp/articles/20200224/ddm/041/040/091000c

 ハンセン病の例を挙げるまでもなく、感染症は常にスティグマとなり、差別の対象となります。21世紀の今でもゾロゾロと出てきています。

 こうした差別には断固として厳しい態度を示すべきです。

新型コロナウイルスPCR検査を求める人に知っておいてほしいこと
https://togetter.com/li/1472743

 市中感染症となったCOVID-19には、特別な治療法がなく、またPCR検査自体感度が高くないという問題もあるため、確定診断の意味がないのは当然なのですが、医師や研究者の中にも誤解している人がおり、これを一般の人に理解してもらうのは難しいかも知れません。

 しかし、これを理解してもらわないと、全国各地の病院に軽症者が殺到し、待合室感染、医療者への感染が起こり、医療が崩壊しかねません。

アメリカのインフルは新型コロナだった説」は本当か?
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200222-00163925/

★Scientists ‘strongly condemn’ rumors and conspiracy theories about origin of coronavirus outbreak
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/scientists-strongly-condemn-rumors-and-conspiracy-theories-about-origin-coronavirus

 陰謀論も含め、様々な憶測が流れています。ファクトチェックをしていくことが重要です。

新型コロナウイルス感染症(COVID19)情報サイト
https://covid19-jpn.com/

 有志の方々が作ったサイトです。こうした動きが出てくるのはとても素晴らしいですが、逆に言えば政府の情報発信が弱いということを意味しているように思います。

★科学技術がリスペクトされる社会へ
https://blogos.com/article/437531/

 竹本科学技術担当大臣の文章。科学技術担当大臣は比較的政治的には軽いポストとみなされますが、大臣になられた方が(たとえゴーストライターがいたとしても)自分の言葉で科学技術に対し発言されるのは評価したいと思います。

★大学院部会(第96回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/004/gijiroku/1422801_00001.htm

議題

大学院修了者の賃金プレミアムについて
大学院におけるリカレント教育促進に向けた制度改正案について
世界から優秀な高度人材を惹き付けるための環境整備について

★第16回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09519.html

地域がん拠点病院、29カ所に“イエローカード”-9月1日で要件未充足なら指定取り消しも検討、厚労省
https://www.cbnews.jp/news/entry/20200219205223

 私も現在がん診療連携拠点病院に勤務する身ですが、様々な問題があります。

宇宙政策委員会 基本政策部会 第7回会合 議事次第
https://www8.cao.go.jp/space/comittee/01-kihon/kihon-dai7/gijisidai.html

資料1 次期宇宙基本計画骨子(案)
https://www8.cao.go.jp/space/comittee/01-kihon/kihon-dai7/siryou1.pdf

★大学統合議案を可決 大阪府・市立、市議会で
https://mainichi.jp/articles/20200222/ddn/041/100/007000c

大阪府大・市大、国の「無償化」に上乗せ 他大学は反発
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55776370Y0A210C2AC8Z00/

 大阪府大、市大の合併が近づいてきましたが、様々な問題も浮上しています。

★You can’t fight feelings with facts: start with a chat
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00452-3

 進化論に関して人々と交流する研究者。非常に重要な指摘が。

Lesson 1: Don’t argue with beliefs.
Lesson 2: Listen.
Lesson 3: Learn what people really think.

★The Tadpole Paper Mill
https://scienceintegritydigest.com/2020/02/21/the-tadpole-paper-mill/

No raw data, no science: another possible source of the reproducibility crisis
https://molecularbrain.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13041-020-0552-2

Editor’s investigation reveals missing and suspicious data
https://www.timeshighereducation.com/news/editors-investigation-reveals-missing-and-suspicious-data

 データがないのに論文が発表されているという事実が明らかに。

★Is research integrity training a waste of time?
https://www.natureindex.com/news-blog/is-research-integrity-training-a-waste-of-time

★How do researchers acquire and develop notions of research integrity? A qualitative study among biomedical researchers in Switzerland
https://bmcmedethics.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12910-019-0410-x

 研究公正教育は子供の頃から行うべきとのこと。

★Biologist exits prestigious post years after violating sexual-harassment policy
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00491-w

 ウッズホールのMarine Biological Laboratory (MBL) で起こった事例。

★EM菌の正体(構成微生物を調べました)
https://note.com/katasekumiko/n/nd2eb3d7da6f8

 自費で研究されたとのこと。頭が下がります。

★無許可再生医療横行か 書類送検大阪医大元講師「他の医師もこっそりやってる」 -
https://mainichi.jp/articles/20200224/ddm/041/040/065000c

再生医療「許可は手間」 書類送検大阪医大元講師 「他の医師もやっているのでは」
https://mainichi.jp/articles/20200223/k00/00m/040/077000c

 かつての(今も?)研究費の業者への預け金と同じように他でもやっているということであるならば、きちっとしなければなりません。

★White House formally invites public comment on open-access policies
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/white-house-formally-invites-public-comment-open-access-policies

★英国政府(首相官邸)が新内閣閣僚等の名簿を発表
https://crds.jst.go.jp/dw/20200221/2020022122537/

Has the UK science minister been demoted?
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00425-6

★第1回(2020年)米沢富美子記念賞受賞者決定について
https://www.jps.or.jp/activities/awards/yonezawa/yonezawa1-2020.php

女性物理学者5人に米沢富美子記念賞 副賞は20万円分
https://www.asahi.com/articles/ASN2K66KMN2KULBJ01F.html

ポスドクの流儀
悩みを解きほぐして今日から行動するためのチェックリスト
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758121040/

 御恵贈いただきました。御礼申し上げます。

★一冊の本をまとめました、、『シン・ニホン』
http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/02/24/132143

 注目の一冊。こうした提言が政策に反映されるのかが問われます。

COVID-19と休める社会、原電改ざん、トランプ科学予算

2020年2月11日~2020年2月18日

カセイケン代表 榎木英介

 新型コロナウイルスCOVID-19の感染は市中に広がり、もはや封じ込めはできなくなりました。

 厚労省も方針を変え、受診の目安を公表しました。

新型コロナウイルスを防ぐには
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000596861.pdf

★『37.5度以上発熱4日以上続いたら相談を』 厚生労働省が受診の目安公表
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/02/20200217_02.html

 COVID-19に私たちがどう向き合っていくのかが問われています。

新型コロナウイルスに我々はどう対峙すべきなのか(No.3)
新たなフェーズに入った日本での対応はどうあるべきなのか
https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_216.html

★結果を出すということ(COVID対策)
https://georgebest1969.typepad.jp/blog/2020/02/結果を出すということcovid対策.html

★COVIDと対峙するために日本社会が変わるべきこと
http://bit.ly/2wo8Jpz

 感染者と接触機会の多い医療者がスプレッダーになってはいけないわけで、体調が悪化したら医療者とて休まなければなりません。

 しかし、医療者が減れば、残った医療者の負荷が増えていきます。平時でさえ不足してる医療資源が、患者殺到と医療者の感染でさらに不足してしまうわけで、医療現場は厳しい状況に直面します。

 患者の苦情も殺到するでしょう。「早く診ろ!」という罵声が飛び交うようになります。

 そうなると、無理をおして勤務を続ける医療者が出てきて、それが患者を増やすという悪循環に陥ってしまいます。

 だからこそ、軽症の患者は自宅で療養し、重症者に医療資源を重点的に投入できるようにしなければなりませんし、無理に通勤、通学してウイルスをばらまいてはいけないわけです。

 しかし、働く日が減れば生きていけない人たちなどは、簡単に休めと言われても休めません。

★終わらない氷河期~疲弊する現場で:「自由な働き方だが…」 配達中でも、けがの補償不十分 43歳ウーバーイーツ配達員
https://mainichi.jp/articles/20200207/k00/00m/040/193000c

 医師不足にしろ、ブラック企業、非正規雇用にしろ、平時に解決できなかった問題が、有事に前面に出てくる…。

 COVID-19が露わにした私たちの社会の問題にどう対峙するか。誰もが当事者です。

★第835回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合
http://www2.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tekigousei/power_plants/200000275.html

原電 敦賀2号機の「活断層」データを削除 20年審査会資料、規制委に無断で
https://mainichi.jp/articles/20200212/k00/00m/040/161000c

提出データに一部書き換え 敦賀原発、日本原電が陳謝
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020021400983&g=soc

敦賀原発2号機の審査資料
原電の地質データ書き換え
ほかの記述でも判明
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2020-02-15/2020021514_01_1.html

敦賀原発データ書き換え問題の行方
https://www.47news.jp/4525004.html

規制委員長「科学の初歩欠落」 原電の生データ書き換え
https://www.asahi.com/articles/ASN2D71NVN2DULBJ00Q.html

 敦賀原発2号機の資料書き換え問題は、研究不正、ネカトです。改ざんに当たると言わざるを得ません。

★本学が有する学術的知見及び経営資源の社会的還元を目指す新しい取り組みを開始
http://www.nagoya-u.ac.jp/info/post_133.html

名古屋大、電通とコンサル契約 情報発信で「稼ぐ力」向上へ
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020021301001893.html

研究財源の多様化へ 電通とコンサル契約 名古屋大 /愛知
https://mainichi.jp/articles/20200217/ddl/k23/100/097000c

 名古屋大の新しい取り組み。

★Irreproducibility is not a sign of failure, but an inspiration for fresh ideas
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00380-2

★末松誠AMED理事長 緊急講演会(2月20日)のお知らせ どうなる?「日本版NIH」の未来 〜山中伸弥教授のiPS細胞備蓄事業報道の背景を含めて〜
https://jastj.jp/info/0212/

健康医療戦略室の医療研究行政、何が問題なのか(論点の整理)
https://blog.goo.ne.jp/minacraft/e/4f9220c6347c8e21f38da741cdce3c22

“安倍側近の不倫コンビ”和泉補佐官・大坪審議官の新疑惑を政府機関理事長が告発! 感染症研究などの予算80億円を自分の担当事業に投入
https://lite-ra.com/i/2020/02/post-5254-entry.html

 科学技術、医療政策の歪みが炙り出されました。スキャンダルに落とし込むのではなく、構造をしっかりと見ていかなければなりません。

★Popular preprint servers face closure because of money troubles
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00363-3

★トランプ政権は基礎科学研究の予算を大幅削減、宇宙・AI・量子技術の予算は増額
https://jp.techcrunch.com/2020/02/13/2020-02-10-trump-administration-slashes-basic-science-research-while-boosting-space-ai-and-quantum-tech-funding/

Trump Proposes Significant Cuts to NIH for 2021 Budget
https://www.the-scientist.com/news-opinion/trump-proposes-significant-cuts-to-nih-for-2021-budget-67087

Trump’s new budget cuts all but a favored few science programs
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/trump-s-new-budget-cuts-all-favored-few-science-programs

トランプ政権がAI研究の予算増額を要求、数億ドル規模
https://www.technologyreview.jp/nl/the-white-house-wants-to-spend-hundreds-of-millions-more-on-ai-research/

How Congress could reverse cuts in Trump’s budget request for NSF
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/how-congress-could-reverse-cuts-trump-s-budget-request-nsf

トランプ大統領の2021年度予算(案)は、将来の主要産業への投資を倍増することを約束
https://crds.jst.go.jp/dw/20200215/2020021522490/

トランプ大統領が2021年度予算要求を発表
https://crds.jst.go.jp/dw/20200215/2020021522487/

 先週第一報を紹介しましたが、トランプ政権の予算に明暗が。基礎研究は減額。

★Harvard, Yale Investigated for Undisclosed Foreign Funding
http://bit.ly/2uRA4ju

Opinion: Disclosures Scientists Must Make of Foreign Ties
http://bit.ly/2Syf2zB

 アメリカの研究者が、外国との関係を問われ続けています。

★Brazilian Government Limits Academics’ Conference Attendance
https://www.the-scientist.com/news-opinion/brazilian-government-limits-academics-conference-attendance-67091

 政府所属の研究者は1大会当たり同じ部署から一人しか出席してはいけないとのこと。

 ブラジルのトランプことボルソナロ大統領は、本家トランプと同様、科学に厳しい姿勢を見せています。

★Inspiring confidence
https://www.nature.com/articles/d41586-020-00358-0

 Stemettes
https://stemettes.org

を立ち上げ、STEM領域を目指す若い女性を支援してるAnne-Marie Imafidonさん。

★When Two Scientists Fall in Love
https://www.the-scientist.com/news-opinion/when-two-scientists-fall-in-love-67100

 科学者同士のカップル。