科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

休みなく働く研究者、予算案、HFSP

2019年12月17日~2019年12月24日

カセイケン代表 榎木英介

 いよいよ2019年も終わりが見えてきました。

 今年の終わりは、1年の終わりでもあり、2010年代の終わりでもあります。

 例年のごとく、科学メディアが2019年を振り返っています。

★Cover Story:特集:2019年を振り返る:今年の重要人物10人
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/101514

Nature’s 10
Ten people who mattered in science in 2019.
https://www.nature.com/immersive/d41586-019-03749-0/index.html

遺伝子編集から重力波まで、2010年代の科学を形作ってきた画期的出来事を振り返り、2020年代に解決を目指すべき気候変動問題を考える。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03857-x

2019 Breakthrough of the Year

Darkness made visible
https://science.sciencemag.org/content/366/6472/1434.full

Runners-up
https://science.sciencemag.org/content/366/6472/1436.summary

Breakdowns of the year
https://science.sciencemag.org/content/366/6472/1442

Seeing is believing
https://science.sciencemag.org/content/366/6472/1423.full

ブラックホール撮影がトップに 米科学誌の今年十大成果
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53675750S9A221C1CR8000/

「今年の大発見」にブラックホール撮影
https://www.sankei.com/life/news/191220/lif1912200006-n1.html

科学10大ニュース、1位は「ブラックホール撮影」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20191221-OYT1T50240/

★The Top Retractions of 2019
https://www.the-scientist.com/news-opinion/the-top-retractions-of-2019-66852

 今年少なくとも1433の論文が撤回されたそうですが、その中でトップ10が挙げられています。日本に絡むものはありませんでした。

 「日本は研究不正大国だ」というと、いやいやほかの国も酷いよ、という声が聞こえてきます。

 冬休みのシーズンですが、そんなこと言っていられない、という方も多いかもしれません。

★There’s No Winter Break From ‘Publish or Perish’
https://www.nytimes.com/2019/12/18/science/scientists-holiday-work.html

 元記事はBMJ

Working 9 to 5, not the way to make an academic living: observational analysis of manuscript and peer review submissions over time
https://www.bmj.com/content/367/bmj.l6460

 週末や休みに研究者がどれくらい働いているか国別比較しています。中国がトップ。日本も平均以上です。

 その理由は論文投稿と論文査読。重い負担としてのしかかります。

 このメルマガで2019年および2010年代を振り返るのは来週号にしようかと思いますが、本当にさまざまなことがありました。当メルマガは2003年創刊ですので、はじめて全てをお伝えしたディケイドということになります。

 2010年代も当然といえば当然ですが、毎週ニュースは尽きることがなく、さまざまなニュースや問題をお伝えしてきました。

 2020年代も、力の続く限り情報収集と発信を続けていきたいと思います。

★令和2年度予算政府案
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/seifuan2019/index.html

文教・科学技術予算
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/seifuan2019/13.pdf

概要
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/seifuan2019/12.pdf

令和2年度予算
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/fy2020.html

 予算案が決定しました。また、13日には補正予算が決定しています。

令和元年度財務省所管一般会計補正予算(第1号)概算が決まりました
https://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/budget/fy2019/hosei1_20191213.html

令和元年度補正予算
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2019/hosei1213.html

科学技術関連に関しては、いろいろ論点があります。

 国立大学の運営費交付金については、相対評価による配分が強化、拡充されます。

 総額は164億円減ですが、高等教育の修学支援新制度のうち、 国立大学における授業料等減免相当分が264億円となっており、差し引き微増。

 「現行の授業料減免制度が対象としていた学部学生が高等教育の修学支援新制度に移行するため、関連経費が剥落している。」とのことです。

★国立大新入生から特例なし 修学支援制度で文科相
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53690200T21C19A2CR8000/

 科学技術振興費は1兆3565億円で、前年度より187億円増。

 うち科研費は2,374億円で2億円増。

科学研究費助成事業(科研費)の令和2(2020)年度予算政府案について
https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/06_jsps_info/g_191223/index.html

 若手優遇が謳われており、補正予算でも若手支援として550億円が計上されています。

 その他「Society5.0実現に向けた重点分野への戦略的配分」として

○ 量子技術に対する研究開発の強化(光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP))[32億円](+10億円)
○ スーパーコンピュータ「富岳」の開発 [60億円](+3億円)
※ 令和元年度補正予算においても144億円を計上。

○ 宇宙・航空分野の研究開発の推進〔1,575億円〕(+15億円) ※ 令和元年度補正予算においても317億円を計上。

 などとなっています。

【令和2年度予算案】有人月探査に70億円、iPS備蓄事業は継続
https://www.sankei.com/life/news/191220/lif1912200030-n1.html

★経済見通しと経済財政運営の基本的態度
https://www5.cao.go.jp/keizai1/mitoshi/mitoshi.html

安倍総理は令和元年第14回経済財政諮問会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201912/19keizaishimon.html

令和元年第14回経済財政諮問会議
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1219/agenda.html

議事

(1) 新経済・財政再生計画 改革工程表の改定
(2) 令和2年度の経済見通し

 財務省は厳しい経済・財政状況のなか科学技術予算は増やしている、しかし成果が出ていない、それは研究者や大学の怠惰のせいだ、というわけですが、予算総額のみでみてはいけません。

福島原発事故と科学力失速に見る政府依存報道
http://dandoweb.com/r2/

★iPS細胞の補助金はなぜ打ち切りに…黒幕は“税金で不倫旅行”疑惑の官僚!?
https://nikkan-spa.jp/1630176

 大学と財務省、どちらの立場ではない、中立的な立場で科学技術政策を見ていくことができれば、というのが我々の思いですが、まだまだ力不足です。

 2020年代には解析力をパワーアップし、仲間もふやし、人々のためという立場から、科学技術政策をみていきたいと思っています。

ムーンショット国際シンポジウム開催のお知らせ(更新)
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20191018moonshot.html

科学技術「ムーンショット型研究開発」のシンポジウム 東京
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191217/k10012218391000.html

「日本はアジア一のAIプラットフォームを」とソフトバンクの孫氏 「ムーンショット国際シンポジウム」開催
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/12/20191219_01.html

 ムーンショットシンポジウムが終了しました。このシンポジウムを受けて、やるべきことが絞られていくきます。そもそもムーンショット型研究開発がよいのかという問題もありますが、どのような中身になるのか、みていきたいと思います。

安倍総理は第34回未来投資会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201912/19miraitoushi.html

未来投資会議(第34回) 配布資料
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai34/index.html

新たな成長戦略実行計画策定に関する
中間報告
令和元年 12月19日 未来投資会議
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai34/saisyuu.pdf

 こちらでは、若手を一定の期間安定的に支援する事業などについて言及されています。また、フリーランスの働き方についても言及があります。

 政府が若手研究者を優遇するのは基本的に支持します。

 ただ、繰り返し述べているように、問題は若手ではなくなった40代前後の就職氷河期、ロスジェネ世代の研究歴がある人たちのことです。

★ 年収200万円台、大学非常勤講師の貧困事情。50代独身のつらい日々
https://nikkan-spa.jp/1625634

非常勤講師は年収150万円、学会も自腹…大学教員は超格差社会だった
https://nikkan-spa.jp/1629585

 この世代のなかには、上記記事のように非常勤講師で生きている方々もいらっしゃいます。

就職氷河期世代支援のご検討のお願い
http://www.keidanren.or.jp/announce/2019/1217.html

 経団連が「お願い」をしていますが、いかにも弱い…。

 分野も様々で、一言でああしろこうしろとは言い難いのが辛いところですが…。

 氷河期世代研究者の抱える問題は、まず第一が、生きていくための手段を見つけること、もう一つは研究そのものか、研究に匹敵する生きるミッションを持ってもらうことです。

★1/24
バイオテックMEETUP
https://sites.google.com/cellfiber.jp/124-meetup

 バイオベンチャーなど、人材を求めている企業もあります。

 博士号取得者が持つ課題発見能力をフルに使う職場は少ないかもしれませんが、課題解決能力は横展開できると思っています。

 とはいえ、「ライスワーク」(お金を稼ぐためだけの職)になってしまうと辛いものがあります。

 「ライフワーク」であった研究に匹敵する仕事に就くことができればいいのですが…。

★ITが単純労働を食い散らかした後にやってくること
https://www.orangeitems.com/entry/2019/12/15/085729

 しかし、そのライスワークだって、単純労働だったとしたら、なくなる未来が見えています。非常に厳しい状況です。

★70代起業家、現役バリバリで株式上場へ その活力源は
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53449030X11C19A2X11000/

70歳就労、フリー選択なら「会社は契約を」 厚労省
https://www.asahi.com/articles/ASMDM4V51MDMULFA017.html

 人生100年時代といわれるのですから、70代くらいはまだまだ働きます。自らライフワークを作る人もいます。

 なかなか厳しい時代ですが、同世代の40代には活躍してほしいと思っています。2020年代もそのための情報を提供し続けていきます。

安倍総理は第24回復興推進会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201912/19fukkousuisin.html

第24回復興推進会議[令和元年12月19日]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat7/sub-cat7-1/20191219093300.html

 復興も2020年代以降続いていく課題です。

★特別インタビュー
政策研究大学院大学 科学技術イノベーション政策研究センター(SciREX センター)顧問 黒田 昌裕 氏インタビュー
科学技術イノベーション政策の未来への期待
歴史認識とEBPMによる検証の必要性-
https://www.nistep.go.jp/activities/sti-horizon%e8%aa%8c/vol-05no-04/stih00194

★「デルファイ調査検索」改訂版(第11回調査結果追加)の公開について
https://www.nistep.go.jp/archives/43481

★平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/index.html

 通称「三師調査」と呼ばれるこの調査。

 私の本業である病理診断科勤務の病理医は1993名。2年前より100名増えました。

 しかし年間50名しか増えていないわけです。まだまだ足りません。

 AI時代を目前に、時間をかけて病理医になったところで、その労力が報われないと思う学生、研修医も出てきているようです。

 実はこれはいろいろな分野で起きていることです。

 今ドライバー不足が言われていますが、自動運転時代を目前に、わざわざお金をかけて免許を取ろうとする人が少なくなっていると言われているのです。

「第二種免許の規制緩和」がどうしても必要な理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191223-00058450-jbpressz-soci

 この過渡期の人材不足をどうするか…。非常に悩ましいところです。

★From social media to conference social
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03853-1

 Twitterとリアルカンファレンスを融合した「生物学のウッドストック」を企画しているテルアビブ大のOded Rechavi 氏。

★大学のハラスメント講習で語られた「学生の信頼を損なう恐れのある大学教員の25の行動」…これらを避けるための4つのことも提示も
https://togetter.com/li/1445181

★声明「ヘリウムリサイクル社会を目指して」発表記者会見を行いました
https://www.jps.or.jp/information/2019/12/helium.php

ヘリウム不足「深刻」、再利用訴え 日本物理学会など
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53628920Q9A221C1000000/

ディズニーから風船消えた ヘリウムガス、世界的な異変
https://www.asahi.com/articles/ASMDF5DVHMDFULBJ00N.html

 非常に大きな問題です。

★上海の名門大、規約から「思想の自由」を削除 学生反発
https://www.asahi.com/articles/ASMDP4RXLMDPUHBI00K.html

IEEE、49件の論文の撤回を発表
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11687

★Head of ancient-DNA lab sacked for ‘serious misconduct’
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03932-3

Bullying allegations lead to firing of prominent ancient DNA expert
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/bullying-allegations-lead-firing-prominent-ancient-dna-expert

★Howard Hughes Medical Institute faces race, sex bias lawsuits by two Asian American biologists
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/howard-hughes-medical-institute-faces-race-sex-bias-lawsuits-two-asian-american

Two Asian American women allege bias by HHMI
https://science.sciencemag.org/content/366/6472/1432

★日本初「病院内ラジオ局」開局 英国発祥、投稿・音楽も
https://www.asahi.com/articles/ASMDL4FZHMDLOIPE01B.html

 サンドイッチマンの「病院ラジオ」
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/tag/index.html?i=15534

を思い起こしますが、よい取り組みだと思います。

★This AI researcher is trying to ward off a reproducibility crisis
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03895-5

★Dispatches from a world in turmoil
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03872-y

 Syria, Bolivia, Sudan, Iran, Chile, Ecuador, Lebanon, Venezuela, Hong Kong and Catalonia…。混乱する社会情勢のなか、科学者たちはどう行動したか…。

OECD Recommendation on Responsible Innovation in Neurotechnology
https://www.oecd.org/sti/emerging-tech/recommendation-on-responsible-innovation-in-neurotechnology.htm

★Trump picks computer scientist to lead National Science Foundation
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03924-3

Trump to nominate Arizona State computer scientist to lead the National Science Foundation
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/breaking-news-trump-nominate-arizona-state-computer-scientist-lead-national-science

★A Year After the Midterm Elections, Where Are They Now?
http://bit.ly/2PObDeM

 中間選挙で研究歴のある議員が数名誕生しました。今どうしているのか…。

 日本でもこうしたことをやらなきゃですね。

★2020 U.S. spending bill restricts some animal research, pushes for lab animal retirement
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/2020-us-spending-bill-restricts-some-animal-research-pushes-lab-animal-retirement

★Science groups, senator warn Trump administration not to change publishing rules
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/science-groups-senator-warn-trump-administration-not-change-publishing-rules

Rumours fly about changes to US government open-access policy
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03926-1

 トランプ政権の論文出版方針に対し異議申し立て。

★Chinese institutes investigate pathogen outbreaks in lab workers
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03863-z

★科学者の説明責任、ますます重要に 欧州のポピュリズム深化に対応
https://scienceportal.jst.go.jp/columns/highlight/20191218_01.html

★「研究に関する男女共同参画ダイバーシティの推進状況に関するアンケート調査(研究者対象)」の実施について(ご協力のお願い)【回答期限 2020年1月10日】
https://www.opened.network/questionary/questionary-0002/

ノーベル賞受賞者を30年で28人輩出 驚異の国際機関
http://bit.ly/2r20Wvj

 仏ストラスブールに拠点を置く国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム、HFSPです。今年亡くなった中曽根康弘元総理の提唱で始まったこのプログラム。

 非常に重要な示唆が含まれているインタビュー記事です。

ムーンショット8分野、ジェンダーギャップ、氷河期世代

2019年12月10日~2019年12月17日

カセイケン代表 榎木英介

 まずはご報告です。12月10日木曜日にTBSラジオ「ACTION」でお話させていただきました。
http://radiko.jp/share/?t=20191212153000&sid=TBS&noreload=1

 「研究不正と歪んだ科学」
https://amzn.to/2NEWFVR

 でも触れた、弘前大学の事例などについて解説しました。

 研究不正をなくすにはどうすればよいか、という問いには、クリアカットなお答えができませんでした。非常に難しい問題ですが、出来ることをやり続けていくしかありません。

 もう一つ、先週もご紹介しましたが、私が取材協力した番組が再放送されます。

テレメンタリー7月クール優秀作品アンコール放送
 さまよう博士」
https://www.tv-asahi.co.jp/telementary/

 2019年12月22日(日曜日)の早朝です。さまざまな問題を投げかけている優れた番組だと思います。録画するなどして是非ご覧ください。

 さて、先週のニュースからいくつか取り上げます。

★男女平等はまた後退 ジェンダーギャップ指数2019で日本は過去最低を更新し121位、G7最低
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5df74276e4b047e8889fdd98

 どんどん下がっていくジェンダーギャップ指数。ついに121位に。

★日本の最高峰の大学 女子学生は5人に1人だけ
東京大学の女子学生の数は、この20年間、全体の20%ほどで推移している。男女の不均衡は多くのトップレベルの大学に共通している。
https://www.nytimes.com/ja/2019/12/08/world/asia/tokyo-university-women-japan.html

★東大は違法団体?ニューヨーク・タイムズが東大を大批判した理由
https://www.mag2.com/p/news/429161

 ニューヨークタイムズの批判が話題になりましたが、日本ではあらゆる分野で女性の活躍が阻害されていると言わざるを得ません。

 このメルマガでも毎週こうしたニュースを取り上げていますが、無意識のバイアス含め、いまだ研究現場のなかに問題意識を持つことすらできない人がいます。

 研究不正の問題も含めて、自分ごととして考え行動する人をどう増やしていくか、考え続け、そして行動しなければなりません。

就職氷河期世代限定の求人 2か月で80人が就職決定
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191215/k10012215621000.html

40代にかかわる年金論 「働く高齢者」になる?
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53156220Q9A211C1I00000/

 就職氷河期世代の問題は毎週のように取り上げていますが、安定雇用すらない段階で、年金をどうするかという問題まで出てきています。

★米国の夢どこへ、豊かになれぬ若者たち
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53156160Q9A211C1I00000/

 ロストジェネレーションは世界各国で出てきているようです。

 「世代間戦争だ」という声もあります。非常に悲しいことですが、この問題の対処を誤ると、社会不安になるだろうことは、各国共通と言えます。

フリーランス科学者の台頭
https://www.editage.jp/insights/the-rise-of-the-freelance-scientist

★大学にいなくても学問はできる! 「在野研究ビギナーズ」荒木優太さんインタビュー
https://book.asahi.com/article/12911297

 フリーランス化には二つの道があって、スキルを雇用ではない形で提供するもの、もう一つはアマチュア、別に職業を持って研究を行うというものです。

 「飯を食っていく」ということは簡単ではありませんが、氷河期世代研究者の生きる道を、もう少し具体的なことを含め考えていきたいと思います。

日曜討論「吉野さん ノーベル賞受賞 どうするニッポンの科学技術」
https://www4.nhk.or.jp/touron/

 吉野さんがノーベル賞を授与されましたが、これに関連して、日本の科学研究の問題が日曜討論で議論されました。

★「人文科学のみは除外」規定、科学技術基本法から削除へ
https://www.asahi.com/articles/ASMD93WD8MD9ULBJ002.html

 科学技術基本法の改正。人文社会科学はイノベーションのしもべではない、という意見もあります。

★2019年(令和元年)科学技術研究調査の結果
http://www.stat.go.jp/data/kagaku/kekka/index.html

18年度の科学技術研究費、過去最高の19兆5260億円…企業分が7割
https://www.yomiuri.co.jp/science/20191213-OYT1T50283/

 総務省統計局の調査。

★企業の基礎研究、再興への道険し
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53162220Q9A211C1I00000/

 企業研究も基礎研究を行う余裕はなくなり、研究所の突然の閉鎖という事態も見聞きします。

 日本は再び「基礎科学タダ乗り」を言われるようになるのでしょうか。

ムーンショット国際シンポジウム開催のお知らせ(更新)
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20191018moonshot.html

★Plenary Session 1
The Management of the Moonshot and new
Policy-making in STI
Management Paper
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/mspaper1.pdf

★Plenary Session 2
Areas and Visions for Setting Moonshot Goals
Vision Paper
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/mspaper2.pdf

政府、「野心的研究」に量子計算機
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53249910S9A211C1EAF000/

野心的8研究を50年までに実現 内閣府報告書
https://mainichi.jp/articles/20191213/ddm/012/040/037000c

量子コンピューター実用化、CO2リサイクル…野心的研究8目標に5年1000億円
https://mainichi.jp/articles/20191212/k00/00m/010/172000c

 本日開催中のムーンショットシンポで、8分野が議論されているようです。

パブリック・コメント意見公募手続)の実施-「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ策定方針について(案)」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/1388053_00001.htm

★「一家に1枚 鉱物-地球と宇宙の宝物-(第2版)」について
https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/week/1413572_00001.htm

★産学が連携した「未来ロボティクスエンジニア育成協議会」設立に向けた覚書が締結されます
https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191216002/20191216002.html

安倍総理とテドロスWHO事務局長が共同でワシントン・ポスト紙(米国)へ寄稿しました。
「誰もが保健医療を受けられる世界に」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08382.html

★国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)、京都議定書第15回締約国会合(CMP15)及びパリ協定第2回締約国会合(CMA2)の結果について
https://www.env.go.jp/press/107538.html

★「失望したがあきらめてはいけない」と国連事務総長 COP25、対立解けずパリ協定ルール合意先送りして閉幕
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/12/20191216_01.html

 COP25が閉幕。

★港湾におけるヒアリ確認調査の実施結果について
https://www.env.go.jp/press/107529.html

ヒアリ四日市港でも確認 環境省全国54港湾調査結果
https://mainichi.jp/articles/20191213/k00/00m/040/145000c

 繰り返しになりますが、ヒアリへの関心を失わないようにしましょう。

宇宙開発戦略本部 第21回会合 議事次第
https://www8.cao.go.jp/space/hq/dai21/gijisidai.html

宇宙基本計画工程表(令和元年度改訂)について

安倍総理は第21回宇宙開発戦略本部を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201912/13uchu.html

宇宙計画工程表、月探査で米と足並み 米中競争にらみ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53351000T11C19A2EA3000/

★記述式問題 導入見送り発表 萩生田文科相
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191217/k10012217631000.html

 メルマガ編集中に飛び込んできたニュース。英語に続き…。

★ProPublica Creates Database of Researchers’ Conflicts of Interest
https://www.the-scientist.com/news-opinion/propublica-creates-database-of-researchers-conflicts-of-interest-66830

★Predatory journals: no definition, no defence
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03759-y

 日本では「ハゲタカ」と呼ばれる捕食ジャーナル。

★心理学実験、再現できず信頼揺らぐ 学界に見直す動き
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53325930T11C19A2MY1000/

心理実験 再現つまずく
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53324330T11C19A2MY1000/

 心理学研究の再現性は、近年大きな話題になっています。

★問われる帝国の残滓 沖縄の風葬骨、京大に返還請求
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53251010S9A211C1CR8000/

 北大のアイヌ人遺骨も含め、かつての研究に厳しい視線が向けられています。

★NIH director pledges to move quickly on recommendations to stop sexual harassment
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/nih-director-pledges-move-quickly-recommendations-stop-sexual-harassment

★U.S. scientists who hide foreign ties should face research misconduct sanctions, panel says
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/us-scientists-who-hide-foreign-ties-should-face-research-misconduct-sanctions-panel

Congress creates two new bodies to tackle foreign influence on U.S. research
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/congress-creates-two-new-bodies-tackle-foreign-influence-us-research

 研究への外国の影響が処罰の対象に。

★US biomedical agency has investigated 100 claims of inappropriate conduct this year
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03835-3

 日本を「研究不正大国」と呼ぶ声がありますが、アメリカも研究者数や論文数が多いこともあり、日本を上回る問題が発生しています。

★Hyperauthorship: global projects spark surge in thousand-author papers
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03862-0

 1000名を超える著者の論文が出る時代。「ハイパーオーサーシップ」という言葉が登場しました。

★子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために
http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4

日本産科婦人科学会によるアンフェアな印象操作 ~若年層の子宮頸がんによる死亡者数は増加していません
https://yakugai.hatenablog.jp/entry/2019/12/08/140106

薬害オンブズパースン会議のブログでとんでもない主張がされています
https://www.minesot.com/2019/12/blog-post_11.html

 HPVワクチンに関して議論が。アンチワクチンの台頭にいったいどうすればよいのか…。厳しい闘いが続いています。

がん診療連携拠点病院等院内がん登録 2013年3年生存率、2010から11年5年生存率公表
特別集計:患者年齢・病期別の生存率
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2019/1214-02/index.html

がん診療連携拠点病院等院内がん登録2018 年全国集計報告書公表
特別集計:疾患別の診療規模(患者登録数)別にみた年齢、病期、治療方法の分布
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2019/1214-01/index.html

★Protect global collaboration
https://science.sciencemag.org/content/366/6471/1291

★Keep US research open amid threat from China, says elite JASON group
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03818-4

 科学は国際共同研究で発展してきました。科学には国境はないわけです。もちろんこの言葉に続く「科学者には国境がある」は重い問いです。

★UK election dashes scientists’ hopes of staying in the EU
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03865-x

 Brexit確定。イギリスの科学はどうなっていくのでしょうか。

★United States drops charges against two more scientists after Iran prisoner swap
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03856-y

 イランとアメリカの間で研究者の交換がなされました。

★Why I stopped turning a blind eye to the ethics of my research-and personal life
https://www.sciencemag.org/careers/2019/12/why-i-stopped-turning-blind-eye-ethics-my-research-and-personal-life

日本学士院会員の選定について
https://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2019/121201.html

新会員に梶田氏ら7人 日本学士院
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53279750S9A211C1CR8000/

ノーベル賞梶田隆章さんら7人が新会員に 日本学士院
https://www.asahi.com/articles/ASMD9533JMD9ULBJ00D.html

博士減少と若手研究者支援

2019年12月3日~2019年12月10日

カセイケン代表 榎木英介

 このメルマガが扱う内容ではないのですが、アフガニスタン中村哲医師が狙撃され死亡した事件には大きな衝撃を受けました。

 医師としての仕事を超えて水路を作ったというその行動は、同じ医師として、医師の範囲を超えてこうしたメルマガを作っている私にとっても大いなる刺激をあたえてもらっていました。

 私の場合、そこまで大きなことはできませんが、科学技術が社会に役立つように、そして博士に代表される人材がより活躍する社会を目指して、それこそ水路に匹敵するものを作っていかなければならないと強く思っています。

★若手研究者に年700万円
700人選抜 政府、最長10年間支援
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52895540T01C19A2MM8000/

40歳までの研究者に年700万円 政府支援へ
https://www.asahi.com/articles/ASMD43HS7MD4ULBJ004.html

日本の研究力低下に危機感
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52930500T01C19A2EE8000/

 40歳未満の若手研究者の支援策が見えてきました。

 選抜された七百人の若手に700万を10年間あげて、じっくりと研究してもらうというものです。

 そして、北大では若手研究者の大抜擢も。

★北大、最短5年で教授に
新制度で若手育成、研究費には補助 准教授20人採用計画 有望な人材囲い込み
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53005440V01C19A2L41000/

★最短5年で教授、北大の若手登用が「アンビシャス」に
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO53005440V01C19A2L41000

 ノーベル賞受賞者の多くが、だいたい40歳未満でノーベル賞の受賞対象となった研究をしていたというデータはありますし、40歳未満には合理性はあります。

 ただ、若手研究者の支援制度である「さきがけ」
https://www.jst.go.jp/kisoken/presto/index.html

 が「先崖」と言われるように、支援終了後に成果を出して羽ばたければよいですが、そうでない場合露頭に迷うことが懸念されます。

 そもそもポスドク制度が、オーバードクターにお金をあげて生活を安定させ、「武者修行」してもらいキャリアアップという趣旨で始まっているわけですから、これが何度目かの問題先送りにならないことを心より願います。

★「博士」生かせぬ日本企業 取得者10年で16%減
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53006550V01C19A2SHA000/

春秋
2019/12/7付
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO53075920X01C19A2MM8000/

 さきがけが「先崖」になってしまうのも、博士の就職難と呼ばれるものも、結局は企業や行政等との接続性が悪いことが原因の一つでしょう。

 企業にも合理性はあって、新卒一括採用や年功序列などの制度的な部分で、博士がイレギュラーな存在になってしまっています。

 つまり、博士が減ったのは極めて合理的で、日本企業が博士などいらない経営をしているからです。いらないならならない。単純なことだし、いらない人材が減ってだから何?という話です。

★なぜ外国人はすぐ辞めるのか? 彼らが日本企業をあきらめた、本当の理由。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/chiyo-watanabe-kamino_jp_5dccd694e4b0d43931cf2ca4

 博士だけでなく、外国人なども活用できていない日本企業の実態があります。

 しかし、だから何と言っていられなくなってきたようです。

 日経の記事で、博士が営業職になることをネガティブに捉える部分があり、気になりました。確かに博士が営業職になることは、決してネガティブに捉えるべきことではありません。

 ただ、逆は難しいわけです。逆というのは、営業職採用された人が、たとえば研究所などでその社の主力製品を開発するといったようなことです。

 テクノロジーが高度化し、現在では社員を配置転換させて数年で主力製品を開発できるほど甘いものではなありません。では日本以外ではどうするか、と言えば、人材を外から買ってくることになります。

 こうしたことが日本企業がグローバル市場で苦戦する原因の一つになっていると言われています。で、困った困った、じゃあ博士だ、ということになったわけで…。

 この話、いつも卵が先か鶏が先かになります。

★異見交論 第1回
自民党税調会長 甘利 明 氏
国立大学は「知識産業体」の自覚を
https://www.kyoikushinsha.co.jp/rensai/ikenkoron/001/index.html

 大学が悪いから企業業績が悪くなった…。

 博士人材が企業に合っていないから採用しない…。

 責任の擦り合いしている間に時はどんどんたってしまいます。

山中伸弥さんのiPS細胞研究所の一部事業助成打ち切り報道について
https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/13241722.html

 やまもといちろうさんが私の書いた記事をしかるべき方々(どんな方々か分かりませんが)に見せて、日本の研究の危機について訴えているとのことです。やまもとさんには御礼申し上げます。

 とはいえ、希望が見えません。

 ハードランディングしかない、という話は結構聞きます。この数年以内に日本は財政破綻するから、その時が変えどきだと。

 しかし、日本の研究が焼け野原から立ち直ったとしても、今いる博士たちは生きていかなければならないのです。すでに40歳以上で、支援の対象からも外された人たちは、すでにハードランディングし、亡くなる人も出ています。

2019年12月22日放送
テレメンタリー7月クール優秀作品アンコール放送
 さまよう博士」
https://www.tv-asahi.co.jp/telementary/

 私が取材協力した番組が最優秀賞を受賞したとのことで、22日に再放送されます。

 まだ見ていない方は是非ご覧ください。

 政府や大学にはもはや何も期待できないこの世代の人たちのために何ができるか。 

 一つのかぎは徹底的に生き残る方法を提示していくことだと思っています。

★東大研究者が一本釣り漁師に転身 衰退著しい漁業を盛り上げるブルーツーリズムとは
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1911/29/news025.html

 一本釣り漁師はかなりイレギュラーですが、こうした転身された方々の生き方のなかに、ハードランディングを生き抜く術がみえてくるのではないか。

 まずはそこからやっていきます。

 ただ、それだけでは中村哲さんの水路にはなりません。

 人材を雇用し、社会に役立てカネを生み出していく…。

 リバネスのような企業は博士人材を雇っているわけで、敬服します。

 なんとかしろと政府や既存の企業に言うだけでなく、自らなんとかできないか…。

 中村哲さんの遺志をこの分野で継ぐとしたら、何をすべきか、考えなければならないと自ら言い聞かせています。

★研究力どう立て直す?科学技術計画「第6期」策定へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52947890U9A201C1TJN000/

<キーワード> 科学技術基本法
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52998490V01C19A2TJN000/

イノベーション」連呼の先 基礎研究の軽視回避を
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53114370Z01C19A2XY0000/

 自民党の甘利さんの発言は、国立大学を企業のためのものにせよ、というものでした。

 それは一つのアイディアですが、基礎研究とイノベーションをごったに考えているから問題があるようにも思います。 上記記事中で、基礎研究の基本計画とイノベーションの基本計画を分けろという話が出ています。それもありかなと思います。

★iPS備蓄支援 科技相「当初予定通り」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53035490W9A201C1EAF000/

iPS備蓄、国の支援を継続 山中氏の批判を受け決定
https://www.asahi.com/articles/ASMD63SMCMD6ULBJ002.html

東浩紀「iPSなど再生医療の現実は、社会の欲望の受け皿にもなっていた」〈AERA
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191204-00000025-sasahi-sctch

再生医療実用化へ協働を 中辻憲夫氏
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53112200Z01C19A2SHE000/

 やまもとさんが言及していた「iPS備蓄」問題。iPSも基礎研究とイノベーション、産業政策が混ざってしまい混乱が生じているように思います。

安倍総理は令和元年第13回経済財政諮問会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201912/05keizaishimon.html

令和元年第13回経済財政諮問会議
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1205/agenda.html

議事

(1) 経済再生・財政健全化の一体的な推進強化5(社会保障2)
(2) 令和2年度予算編成の基本方針

安心と成長の未来を拓く総合経済対策(令和元年12月5日閣議決定
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1205/20191205_taisaku.pdf

令和2年度予算編成の基本方針(令和元年12月5日閣議決定
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1205/r2_yosanhensei.pdf

 Society5.0、SDGs、そして就職氷河期世代支援。

★研究現場の閉塞感を打破するには: エビデンスベースの政策立案の前提条件の共有に向けて ― NISTEP定点調査ワークショップ2019より ― [調査資料-286]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/43333

★「AI・データの利用に関する契約ガイドライン 1.1版」を策定しました
https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191209001/20191209001.html

東京都府中市内におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/107531.html

 コンテナの中なので、定着したわけではありませんが、注意してみていく必要があります。

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2018)
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html#PISA2018

OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)の結果公表を受けての萩生田文部科学大臣コメント
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/sonota/detail/1422960.htm

★萩生田文部科学大臣コメント(生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果)
http://www.mext.go.jphttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/sonota/detail/1422960.htm

 非常に大きく報道されました。

日本の15歳「読解力」15位に後退 デジタル活用進まず
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52905290T01C19A2CC1000/

デジタル活用、世界に遅れ OECD学習到達度18年調査
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52912410T01C19A2M13700/

科学的応用力、記述力は改善
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52912600T01C19A2M13700/

クローズアップ:国際学力テスト 読解力急落 「PISAショック」再び
https://mainichi.jp/articles/20191204/ddm/003/100/107000c

★論文不正調査、京都府医大と関西医大が6年後に報告書
https://www.asahi.com/articles/ASMD35WF3MD3PLBJ00C.html

関西医大が論文不正調査報告放置
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20191203/2000023024.html

 研究不正調査は時間もカネもかかるので、研究機関にとってはやりたくないということがよく分かります。

★総額2億円近く 京大 霊長類研究所で研究費不正か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191206/k10012205511000.html

京都大霊長類研究所で巨額不正経理か 同大が調査
https://www.sankei.com/west/news/191206/wst1912060009-n1.html

京大霊長研で研究費不正か 飼育施設工事、大学調査
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019120601002022.html

 次第にその様子が明らかになってきました。

★Archaeology society votes to let board ban sexual harassers from meetings
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/archaeology-society-votes-let-board-ban-sexual-harassers-meetings

Society for American Archaeology Can Ban Harassers from Meetings
https://www.the-scientist.com/news-opinion/society-for-american-archaeology-can-ban-harassers-from-meetings-66809

 アメリカ考古学会の取り組み。

サモア、はしか大流行で62人死亡 政府機関を閉鎖
https://www.asahi.com/articles/ASMD43WFHMD4UHBI01J.html

Samoa measles: Unvaccinated families told to hang red flag on door
https://bbc.in/2rSXKlW

50 Children Dead from Measles Outbreak in Samoa
https://www.the-scientist.com/news-opinion/50-children-dead-from-measles-outbreak-in-samoa-66805

はしかで年14万人超が死亡 WHO、ワクチン接種呼び掛け
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019120601001085.html

 世界中でアウトブレイクが続く麻疹。反ワクチン運動が拡大し、非常に厳しい状況です。

The US must act now to help stop the global measles surge
https://thehill.com/opinion/healthcare/473257-the-us-must-act-now-to-help-stop-the-global-measles-surge

Anti-vaccine groups take dangerous online harassment into the real world
https://www.nbcnews.com/health/kids-health/anti-vaccine-groups-take-dangerous-harassment-offline-real-world-n1096461

 もっとも成功した運動とされる反ワクチン運動にどう対峙していくか。医療関係者としては頭がいたい問題です。

★日本の再生医療政策がもたらすもの
https://go.nature.com/2P5DeYw

 Natureの批判的記事。

★The Bio-Hacker From the Garage Next Door
https://www.calcalistech.com/ctech/articles/0,7340,L-3775257,00.html

ソフトバンク、東大とAI研究所開設へ 200億円提供
https://www.asahi.com/articles/ASMD653PPMD6ULFA018.html

東大とソフトバンクがAI研究所 後発日本で孫氏「人材や資金回る仕組みを」
https://mainichi.jp/articles/20191206/k00/00m/020/262000c

ソフトバンク、AI開発で東大と連携 200億円支援
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53039790W9A201C1000000/

ソフトバンクG孫氏「基礎研究だけでは続かない」 東大学長と対談
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53049880W9A201C1000000/

★Harvard Graduate Students on Strike
https://www.the-scientist.com/news-opinion/harvard-graduate-students-on-strike-66816

 ハーバード大学の院生がストライキ

★Getting the EPA back on track
https://science.sciencemag.org/content/366/6470/1173

Joint statement on EPA proposed rule and public availability of data (2019)
https://science.sciencemag.org/content/366/6470/eaba3197

 EPAの問題続報。

★Chinese universities with military ties classed as ‘risky’ collaborators
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03726-7

★Science publishers review ethics of research on Chinese minority groups
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03775-y

 中国の研究に関する懸念。

★Italy set to create e300 million research funding agency
https://science.sciencemag.org/content/366/6470/1178

Can Italy’s new science funding agency overcome a thin budget and worries over political meddling?
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/can-italy-s-new-science-funding-agency-overcome-thin-budget-and-worries-over-political

 イタリアで新しいファンディングエージェンシーができますが、懸念も。

★At Japan’s Most Elite University, Just 1 in 5 Students Is a Woman
https://www.nytimes.com/2019/12/08/world/asia/tokyo-university-women-japan.html

 ニューヨークタイムズの記事。直視しなければならない問題です。

★A mother's guilt
https://science.sciencemag.org/
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03688-w

Women from some under-represented minorities are given too few talks at world’s largest Earth-science conference
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03688-w

ノーベル財団
https://www.nobelprize.org/

「ノーベル週間」始まる
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53039400W9A201C1CR0000/

「研究不正と歪んだ科学」発刊記念シンポジウムのお知らせ

 好評発売中の新刊「研究不正と歪んだ科学 STAP細胞事件を超えて」
日本評論社 税込 2,530円
https://nippyo.co.jp/shop/book/8178.html
https://amzn.to/2NEWFVR

 ですが、出版記念のシンポジウムを開催することになりました。

【イベント告知】 国際競争時代の研究公正 『研究不正と歪んだ科学: STAP細胞事件を超えて』出版記念シンポジウム
https://www.kaseiken.org/20190112sympo/

 以下概要です。

 2014年に起こったSTAP細胞事件は、日本社会に大きな衝撃を巻き起こしました。しかし、この事件は首謀者の特異なキャラクターによるものとして消費され、科学研究をめぐる国際的な動向の中で考えるという視点はほぼなかったように思われます。また、研究不正問題に関しては、国内外から、日本の社会や研究機関の持っている特殊な文化の影響を指摘されることもあります。事件から時間が経って、一般社会の関心が風化している今こそ、もう一度研究不正の問題に着目し、日本が科学研究の国際競争時代に、科学技術創造立国としてふさわしい振る舞いと体制を整えるにはどうしたらいいのか、未来志向で考えてみる機会を作れないでしょうか。
 今回は、『研究不正と歪んだ科学: STAP細胞事件を超えて』(日本評論社)の出版を記念して、こうした機会の一助にすべく、シンポジウムを開催したいと思います。科学研究の専門家のみならず、こうした問題に関心をお持ちの一般の方々にもご参加いただければ幸いです。


日程: 2020年1月12日(日)
時間: 13:30 〜16:30
会場:大阪大学 中之島センター 講義室302
   アクセス情報:http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/
京阪中之島線 中之島駅より 徒歩約5分, JR環状線 福島駅より 徒歩約12分等
参加費: 無料(当初、500円とご案内していましたが、無料に切り替えます。お気軽にご参加ください)

主催:一般社団法人カセイケン(科学・技術と政策研究室)
共催:公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)

講演: 榎木英介(一般社団法人カセイケン)
   粥川準二県立広島大学
   中村征樹(大阪大学全学教育推進機構)
コメンテーター:
   田中智之(京都薬科大学

 どなたでもご参加いただけます。
  申し込みは必須ではありませんが、会場の都合上、メールないしFacebook(イベントページ)でお申し込みいただければ幸いです。
https://www.facebook.com/events/530159121047420/

連絡先: 一般社団法人カセイケン
   Mail: info@kaseiken.org
https://www.facebook.com/kaseikenorg/